国際輸送をする際、重要になってくるのが「倉庫」です。
取り扱っている商品によって、保管しておく条件も異なるため、それぞれに適した倉庫が必要になってきます。
倉庫にもさまざまな種類があり、それぞれ保管する条件が違います。
今回は、そんな倉庫の種類をご紹介します。
各倉庫の違いや特徴を知って、商品に合った倉庫を選ぶ参考になれば幸いです。
目次
倉庫業法とは
倉庫といってもさまざまな種類があります。そして倉庫を建てるには、倉庫業法で定められたルールを守る必要があります。倉庫業法第1条では、倉庫業の適正な運営を確保し、倉庫の利用者の利益を保護するとともに、倉庫証券の円滑な流通を確保することを目的する、と謳われています。
・倉庫業法第1条
この法律は、倉庫業の適正な運営を確保し、倉庫の利用者の利益を保護するとともに、倉庫証券の円滑な流通を確保することを目的する。
(引用:昭和三十一年法律第百二十一号倉庫業法 第一章 総則 目的)
倉庫と呼ばれるものには下記の2種類があります。
- 自家用倉庫(所有者自身の荷物を保管するためのもの)
- 営業倉庫(他人の荷物を保管するためのもの)
営業倉庫は、他人の貴重な物品を預かるという特性から、倉庫業を営むにあたっては倉庫施設の基準をクリアしなければいけません。顧客から荷物を預かり保管することで対価を得るサービスなので、その営業ルールを規定することで荷主の利益を守り、トラブルを抑止する事が重要になります。精算と消費を結ぶ産業として、倉庫業は国民生活の基盤を支える極めて公共性の高い産業のため厳格な条件をクリアしなければ、倉庫業として運用することができません。耐震性や耐火性、水濡れや火災への対策がなされている必要もあり、火災保険への加入や、カビ・害虫への対策も必要です。
現在は登録制となっており、登録申請は各地方の運輸局が窓口となっています。メールでの申請も可能で、国土交通省のHPにも倉庫業相談窓口が設置されています。
倉庫の種類について
それでは、倉庫の種類についてみていきましょう。
ここでは主な3つの倉庫業の種類をご紹介します。
- 普通倉庫
- 冷蔵倉庫
- 水面倉庫
普通倉庫
3種類の中で最も一般的な倉庫業の形態です。法律上は下記の7種類に分類されます。
- 一類倉庫
- 二類倉庫
- 三類倉庫
- 貯蔵倉庫
- 野積倉庫
- 危険品倉庫
- トランクルーム
一類倉庫
建屋型営業倉庫と呼ばれ、普通倉庫の多くがこの種類と言われています。
設備や構造基準が一番高い水準とされ、幅広い物品を保管できます。
設備基準が高く、防水・防湿・遮断・耐火性能があります。
保管できる物品は、日用品、繊維、紙やパルプ、電気機械などです。
二類倉庫
一類倉庫の設備条件のうち、耐火性能を除いた倉庫です。
保管できる物品は、麦、果実、でんぷん、潮、肥料、セメント、石綿などです。
三類倉庫
二類倉庫より要件が緩和され、湿気や気温の変化に影響を受けにくい物品の保管ができる倉庫です。
保管できる物品は、ガラス類、陶磁器、タイル、鉄材、鋼材、地金などです。
貯蔵槽倉庫
周壁の側面及び底面の強度が国土交通大臣の定める基準に適合しており、土地に定着し、まつ周壁により密閉された貯蔵層であるもの。一般にサイロやタンクともよばれており、防火性能と防水性能があり、消火設備の設置が設備基準としてもとめられています。
保管できる物品は、袋や容器に入っていない小麦、大麦、トウモロコシ、液体やばら穀物などです。
野積倉庫
倉庫がある区画が柵や塀に囲まれ、防犯の為の設備や保管物が落下しないような措置がしてあること。
保管できる物品は、レンガやセメント、木材や廃タイヤなど、雨や風、日光にさらされて個問題のないものです。
危険品倉庫
設備基準は厳しく、防火性能、防水性能、防湿性能を備え、倉庫の周囲は柵や塀、鉄条網などで防護し、防犯措置の設置も必要です。
保管できる物品は、消防法が指定する危険物や高圧ガスなどです。
トランクルーム
「認定トランクルーム(国土交通省が認定)」と「営業倉庫の標準寄託契約に基づくトランクルーム」があります。倉庫業者が物品の管理(管理責任)を担い、火災保険も倉庫業者が付保します。
保管できる物品は、個人の財産や法人の商品でない物品等です。
冷蔵倉庫
設備基準は、防水性能や耐火、防火性能などを備え、常時10℃以下で保てる設備のものです。
保管できる物品は、水産物や農産物、冷凍食品や畜産物などです。保管する温度帯が商品によってさまざまなので、野菜などの生鮮は0℃前後が多く、冷凍食品などではさらに低い温度で管理できます。
水面倉庫
水面で物品を保管する営業倉庫で、保護された水面で浮かべた状態で保管する場所を指します。周囲を築堤などの工作物により防護かつ流失防止措置が取られ、防犯装置を備えるもとになっています。
保管できる物品は、原木等、陸上で保管すると乾燥して割れるため、水面に浮か下手保管する事で湿度を保てるような物。
それぞれの倉庫の特徴を見てきましたが、倉庫毎に保管できる物品が違いますので取り扱っている商品はどの倉庫に適しているかを見極める必要があります。また倉庫業者によってサービスもさまざまですので、物流のなかでどの割合まで請け負ってもらうかをしっかり決める必要もあるでしょう。
倉庫内では、商品の保管だけでなく、ピッキングや梱包、出荷作業、修理や検品なども大なっている倉庫業者もいらっしゃいます。
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