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LCL(混載貨物輸送)とは 特徴やFCLとの計算方法の違いなど解説

海上輸送に使われるコンテナ船を想像してみてください。

なんとなく、ゆったり海の上を移動している大きな船というイメージがあると思います。

その海の上をただようコンテナ船には、貨物によって輸送方法が2つ設けられているのです。

本記事では、その2つの輸送方法FCLとLCLのうち、LCLの特徴をご紹介します。

FCLとLCLの計算方法の違いもお伝えしてるので、最後まで読んでみてください。

LCLとは?

LCLとは、海上輸送の混載便のことです。

Less Than Container Loadの略で、コンテナの一部のスペースを借りて貨物を輸送する方法のことを指します。

コンテナ1本分に満たない貨物を輸送する場合に、他の発送元の荷物と混載してコンテナのスペースをシェアすることで小口の貨物を輸送することができます。

LCLの特徴

海上輸送の混載便であるLCLの特徴を3つご紹介します。

他の荷物と混載

LCLは、複数の発送者で1台のコンテナをシェアすることになります。

そのため、コンテナ1台を埋められない大きさ・量の貨物を輸送したいときに、LCLは多く使われます。

CFSに集められる

LCLの場合、貨物は直接コンテナヤード(コンテナ船の積荷をする場所)に運ばれません。

他の発送元の貨物と混載するため、CFSという貨物を混載するために一時的に置いておく倉庫に集められてからまとめてコンテナヤードに運ばれます。

CFSを経由するため、FCLよりも輸送過程が多くなります。

輸送貨物に制限がある

LCLは他の発送者とコンテナをシェアするため、輸送貨物に対して制限があります。

臭いの強い貨物や冷蔵などの温度管理が必要な貨物など、輸送時に他の貨物へ影響を与える可能性があるものはLCL適応外になることが多いです。

LCLとFCLの計算方法の違い

LCLとFCLでは、費用計算の方法が異なります。

FCLではコンテナ1つあたりで費用を計算するのに対し、LCLではサイズか重量のどちらか値段が高い方を対象に費用計算をします。

FCL・LCL共に単純な配送料だけで計算されるのではなく、それぞれの輸送特性に伴った前後工程の費用が上乗せされるので、料金の比較が大切です。

以下、FCLとLCLの計算方法の違いをご紹介します。

FCLとLCLの料金

料金は、単純な配送料だけでなく、港までのトラック運送料など貨物の輸送に関わる費用を大きさによって課金されます。

LCLの注意点としては、小口貨物の輸送の場合でも重量が重いと重さに値段がかかります。

そのため少量の貨物であっても、重さによってはLCLよりもFCLがお得になることもあるのです。

フォワーダーによって合計費用が変わるため、海上運賃だけを見るのではなく、フォワーダーの見積条件によってどちらの輸送方法がいいか全体を計算して考えましょう。

海上運賃

支払う金額の中には、そのほとんどを占める海上運賃があります。

しかし、FCL・LCL共に海上運賃以外の費用を考えるのも大切です。

THC

THCはTerminal Handling Chargeの略で、港でコンテナを動かす費用のことです。

この費用はFCL・LCL共にかかるもので、積地・揚地の港でコンテナを移動する距離によって、また船会社によって金額が異なります。

CFSチャージ

CFSとはContainer Freight Stationの略で、LCLのみにかかる費用です。

貨物を港や倉庫で積み降ろしする取扱手数料のことを指します。

CFSチャージは、固定の金額ではなく、貨物のサイズ・重さ(課金重量)によって合計金額が異なり、積地と揚地の両方でかかるものです。

LCLは混載するために一時的に保管される倉庫(CFS)を経由して輸送されるため、CFSチャージといったFCLにない費用がかかります。

運送コストは、建値と全体的にどれくらい掛かるのかを計算して船会社を決めましょう。

トラック費用

積地と揚地において、FCL・LCL共に貨物を地上輸送するトラック費用もかかります。

LCLのメリット

小口貨物の輸送の場合はメリットが多いため、LCLのほぼ一択になります。

メリット①小さい貨物を運送できる

コンテナを1台まるまるレンタルしないLCLは、少ない量の貨物を運送できるのがメリットです。

メリット②低コスト

1つのコンテナを他の発送者と割り勘するかたちになるため、低コストで貨物を輸送できます。

LCLのデメリット

少量の貨物でも安価に輸送できるLCLですが、メリットに比例して多少のデメリットも伴います。

貨物の性質によっては運べない

要冷蔵・要冷凍など特別なケアが必要な貨物は、LCLで運べない可能性があります。

配送の時間が必要なため、締め切りが少し早い

一緒に運送する他の発送元の貨物を集約する倉庫、CFSを経由するため、直接コンテナヤード(荷積港)へ送られるFCLより書類や貨物の締め切りが2〜3日早くなります。

貨物ダメージが大きい

LCLは発送地、受取地の両方においてCFSで荷物が仮置きされるため、FCLに比べて積込みや積降ろしの作業回数が多くなります。

そのため必然的に貨物へのダメージの可能性が高くなるのです。

また他の発送元と1つのコンテナに混載されるLCLは、一緒に運ばれる貨物のサイズや重さによっては輸送中に衝撃が加わることもあります。

紛失することも

1台まるまるコンテナを借りるFCLは、輸送過程の途中で他者からコンテナを開けられることはないため、紛失の可能性はありません。

しかしLCLは積荷・積み降ろしの作業数が多いので、他の貨物と混載するFCLよりLCLの方が貨物の紛失のリスクが高くなります。

FCL・LCLの見極めポイント

FLCかLCLかを選ぶ方法は、基本的に「コンテナのサイズに対してどのくらいの大きさの貨物を輸送したいか」によって分けられます。

簡単に言うと、小口貨物を運ぶときはLCL、コンテナ1つ借りるほどの量が多い貨物のときはFCLとなるでしょう。

FCL・LCLの使い分けは、荷物を運ぶ大きさ以外にも見極めるポイントがあるので紹介します。

①貨物の大きさ、重さ

輸送する貨物の大きさや重さによって、FCLかLCLかを決めます。一般的に、少量の荷物を運ぶときにはLCLを選びます。

②運送のスピード

貨物が直接港に運ばれて積荷されるFCLの方が、LCLよりも、輸入通関後の引き取りが早めです。

③貨物破損のリスク

LCLのデメリットでもありますが、FCLに比べてLCLは荷物破損・紛失のリスクが高くなります。

少量の荷物であっても、ダメージや紛失のリスクを負いたくない場合にはFCLで輸送するほうがよいでしょう。

さいごに 少量の荷物を運ぶときはLCL

海上輸送には、コンテナを1台借りて輸送するFCLと、コンテナ内を他の発送元と混載するLCLの2つの輸送方法があることをお伝えしました。

LCLの特徴をおさらいすると、以下の3つです。

  1. 他の荷物と混載
  2. CFSに集められる
  3. 輸送貨物に制限がある

FCLとLCLでは運送スピードや破損リスクも変わってくるので、フォワーダーと相談して条件にあった輸送方法を選びましょう。

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