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国際輸送で精密機器を送る方法 具体的な流れや注意点について解説

あなたの会社で製造している商品が海外バイヤーとの商談成立!まずはトライアルで海外へ発送する事が決まりました。

さて、最初に何をしたら良いでしょうか?
どこに頼んだらいいの?
初めての海外発送で気をつけることは何?
先方に到着した時、壊れていたらどうする?

精密機器も製造していたメーカーに勤務経験のあるフォワーダー歴6年の筆者が、注意点をまとめました。

精密機器の定義と種類

精密機械とは、高度の精密さを要求される機械の総称で、時計や顕微鏡、カメラ、計量器、工作機械や機械装置全般のことを指していましがが、現在ではその機械装置と電子工学的な装置を融合させたり、また発展させ高度化された精密な電子機器などハイテク分野の製品も精密下記の一種となりました。

精密機器には下記のようなものがあります。

  • 医療機器
  • 精密測定機器
  • 天体望遠鏡
  • 工作機械
  • 光学機器/映写機
  • 分析機器
  • 福祉機器
  • 工作機械
  • 電子機器
  • ロボット
  • レーザー加工機

ざっと見ただけでもこれだけ多くの精密機器があります。このような精密機器は外的環境により、非常に繊細で、壊れやすいのでこと輸送に関しては細心の注意を払わなければいけないことが容易に考えられますね。

精密機器を海外へ発送する時、どこへ相談すればよい?

Door to Doorサービス、クーリエに依頼する。

Door to Doorサービスとは、国際版 宅配便のようなイメージです。DHLやFedEx, UPSといった輸送会社のかたに自宅まで集荷しに来てもらえます。事前に送り主の登録が必要なので、集荷前に早めに登録を済ませておきましょう。(着払いもできますが、送り先の方の顧客番号が必要になり、確認が取れてからの手配になるので、着払いを予定している場合は荷受人に事前に聞いておきましょう。)

フォワーダーに依頼する。

フォワーダーとは、国際利用運送事業者のことで、お客様からの貨物をお預かりし、他の業者の運送手段(船舶・航空・鉄道・トラックなど)を利用し、貨物輸送を行う事業者のことです。ちょっと大きな荷物になってしまった場合で費用も抑えたい時は、国際貨物輸送のプロ(フォワーダー)に尋ねると大きな力になってくれます。航空便と船便、どちらも手配可能なフォワーダーがいいでしょう。

精密機器を送る時に気をつけることは何?

輸入国の規制

まずは輸入する国の規制を調べなければいけません。商談の時点で確認済みだったら大丈夫ですが、発送時になって「この国へは送れない!」となっては大変です。輸入する国の基準を満たす必要があったり、輸入者の免許が必要だったり、色々な場合がありますので初めての輸送時には少し時間が掛かる時もあります。

調査する時には、インボイス、パッキングリストのほかに、商品の写真や資料を準備しておくと良いでしょう。商品説明の資料は和訳、英訳があると輸出時や相手国の輸入時に大変役立ちます。

輸送方法

相手国で輸入できることが分かったら、輸送が可能か確認します。これはクーリエでもフォワーダーでも、輸送を担う会社が調査しますので提出書類を依頼されたらそれに従って提出しましょう。

貨物の準備

輸送可能なことが確認できたら、貨物の準備です。

精密機器を輸送する時は細心の注意が必要ですが、特に注意する点は下記の通りです。

  1. 振動
  2. 衝撃
  3. 湿気、温度

国内輸送時よりも強固なもので梱包しましょう。緩衝材等で精密機器を包んだ上で、運搬時に動かないようにする事が大事。カートンに詰める場合はダブルカートンを使用し、箱の底から、緩衝材、商品、緩衝材の順に詰め、空いたスペースには関連商品を入れることもできますがいパッキングリストに記載しましょう。またサイズに合ったカートンに詰めるようにしましょう。

大型精密機器の場合は、専門の業者に依頼するのが良いでしょう。商品を引取に来てもらう際には、大型精密機器であることを伝えると特殊なトラックを手配してくれます。「エアサス車」という呼び名のトラックですが、エアサスとは「エアーサスペンション」の略で、振動や衝撃に弱い精密機器を守るためにトラックが常に水平に保てるように荷台の車高を特殊なセンサーが探知してくれたり、突発的に発生する衝撃を抑えたりする仕組みがなされた仕様になっています。

振動や衝撃を感知する機材に、「ティルトウォッチ」と「ショックウォッチ」というものがあります。「ティルトウォッチ」は一定の角度、傾くと反応するようになっています。

また「ショックウォッチ」は梱包に基準以上の衝撃が加えられることで反応するようになっています。

それぞれ出荷前、積み込み後、荷卸し前、荷卸し後に各ウォッチをチェックする事で、万が一、どのタイミングでどのような衝撃があったかを把握する事ができ、責任の所在を明確化する事ができるようになっています。

到着した時に壊れていた時どうすればよい?

まずは受け取る側は、貨物を受け取る際に外装に大きな破損が無いか、ティルトウォッチやショックウォッチが赤くなっていないか必ず確認しましょう。以上を確認した上で受け取りのサインを書くことが重要です。確認をせず、うっかりサインしてしまったらクレームは上げられません。

外装に傷がある、ティルトウォッチかショックウォッチが赤くなっているのを発見した場合は、まず配送業者に伝えること。そして、配送業者と一緒にその箇所を確認し、写真に残します。送り状には必ず「ダメージあり」「ショックウォッチ反応済み」など、受け取り時にはすでに外装ダメージがあったことを記しておきましょう。その後、クーリエやフォワーダーなど手配を依頼した会社に症状を伝えます。クレームノーティスを発行し、手配した業者に確認してから商品にダメージがないか、正確に起動するか確認するようにしましょう。

残念ですが、もし作動しないまたは動作がおかしい場合は貨物保険などで補償ができる場合、保険会社の調査が入り、輸送時の瑕疵が認められればその金額が支払われる事があります。このような事態を避けるために、梱包の強化、輸送会社の選定、保険の付保など不測の事態に備えて準備する事が大切です。

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