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バイヤーズコンソリデーションとは 輸送方法の特徴やメリットを解説

バイヤーズコンソリデーションは、海外から輸入する際に用いられることが多い貿易用語です。
貿易業、特に輸入業をされている企業の担当者様にとっては、この貿易用語を知っておくことで、物流コストを削減できるきっかけになるかもしれません。
今回は、バイヤーズコンソリデーションについて、輸送方法の特徴やメリットをご紹介します。
当記事では、次のような内容に沿ってお伝えします。

バイヤーズコンソリデーションとは

バイヤーズコンソリデーションは、”buyer’s consolidation”という英語です。
日本語では、”Buyer’s”は買主の、”consolidation”は統合や整理といった意味があります。
“buyer’s consolidation”は、買主の統合、整理といった意味の言葉になります。

貿易用語としてのバイヤーズコンソリデーション

主に海外から輸入する際に用いられることが多い貿易用語です。
貿易用語としてのバイヤーズコンソリデーションとは、とある国の複数の売主から商品を仕入れる時、買主または買主から依頼されたフォワーダー等の業者がそれらの商品を1カ所に集め、1つのコンテナにまとめた状態で買主の国へ輸送する手段、またはそのサービスのことを言います。
バイヤーズコンソリデーションを上手く活用できれば、物流コストの削減、輸送効率の向上、リードタイムの短縮など、買主は多くのメリットを期待できます。

バイヤーズコンソリデーションサービス

フォワーダーをはじめとする一部の物流業者は、バイヤーズコンソリデーションサービスを提供しています。
依頼を受けた業者が、買主に代わって、輸出国内の複数の売主から商品を1カ所に集め、1つのコンテナにまとめた状態で輸送してくれるサービスです。
サービスの内容次第ではありますが、一般的には業者が輸出者となり、輸出国での通関手続きも含めて対応することが多いです。

LCL(Less Than Load)との違い

バイヤーズコンソリデーションとLCLは似ていますが、少し異なります。
LCLとは、海上コンテナ1本分に満たない複数の荷主の貨物を、同じコンテナにまとめて混載して海上輸送するサービスのことです。
対して、1つの荷主がまるごと1本のコンテナを使って輸送することをFCL(Full Cotainer Load)と言います。
LCLでは、複数の荷主の貨物が同じコンテナに混載されていますが、バイヤーズコンソリデーションでは、1つのBLに1荷主の貨物だけが入っています。
バイヤーズコンソリデーションは、複数の荷主の貨物を1つにまとめる方法になります。

輸入フローの違い

一般的な輸入の場合と、バイヤーズコンソリデーションの場合のフローの違いを確認してみます。
例えば、中国から、売主Aの商品a、売主Bの商品b、売主Cの商品cを仕入れ、それぞれがLCL海上輸送サービスを利用して、日本の買主へ向けて輸送していたとします。
一般的な輸入の場合には、商品a、b、cは個別に輸送され、日本の買主の元に届きます。
バイヤーズコンソリデーションサービスを利用した場合は以下の通りです。
①まず業者は、中国国内のどこか1カ所(例えば、港湾地区倉庫、上海や青島等)に商品a、b、cを集めます。
②それらの商品まとめた上で同じ1本のコンテナにバンニング(貨物をコンテナに詰める作業)をします。
③FCL貨物として輸出通関手続き及び海上輸送手配を行います。
④日本に到着後、1BLとして輸入通関手続き及び国内輸送手配を行います。
⑤商品a、b、cがまとめて買主の元に届きます。

メリット

バイヤーズコンソリデーションを上手く活用できれば、買主は以下のような多くのメリットを期待できます。

物流コストの削減

海上輸送コスト、輸入通関手続きに係るコストなど、貨物の集約化によって物流コスト削減の効果を期待できます。

輸送管理の一元化

輸送管理の一元化ができます。
複数の売主がそれぞれ輸送手配をする場合、発送のタイミング及び買主の元に商品が到着するタイミングがバラバラになることもあり得ます。
また、スケジュール管理のために、船会社のホームページ等で輸送中の貨物を追跡する必要がありますが、バイヤーズコンソリデーションであれば、追跡を要する貨物がBL1つにまとめられていますので、このような確認作業の手間が減る点でもメリットがあります。

まとめ

今回は、バイヤーズコンソリデーションについて、輸送方法の特徴やメリットをご紹介しました。
上手く活用することができれば、大きな効果を期待できます。
ただし、あくまでケースバイケースであり、必ずしもバイヤーズコンソリデーションが効果的であるとは限りません。
バイヤーズコンソリデーションへの切り替えによって、輸出国内の輸送コスト、現地倉庫の利用コスト等が新たに発生したり、輸出通関手続き等の手配で想定以上の負担がかかったり、買主として様々なリスクを考慮する必要が出てきます。
もちろん、バイヤーズコンソリデーションサービスを提供している物流業者を適切に起用することで、これらのリスクの排除や低減が可能です。
事前に十分な確認と検討を行うことをおすすめします。
特に、物流コストの削減を最大の目的としている場合には、十分なコスト試算を行いましょう。
検討の際は、フォワーダーをはじめ物流業者に相談してみましょう。

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