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RCEPとは 輸入例とともに分かりやすく解説

RCEPとは、地域的な包括的経済連携協定のことで、その参加国には日本の主な貿易相手である中国や韓国も含まれています。

この両国と日本は、個別に経済連携協定を結んでおらず、RCEPが初めて締結した協定となっています。
両国と貿易を行う方にとっては、RCEPは大変重要かつ確認しておきたい経済連携協定です。

今回は、このRCEPとは経済連携協定であるのか、確認してみましょう。

RCEPとは

RCEPとは、地域的な包括的経済連携協定のことで、Regional Comprehensive Economic Partnershipの略です。
日本については、2022年に1月に発効となりました。
一般的に、”アールセップ”と呼ばれています。

RCEPの意義

東アジアの地域的な包括的経済連携協定で、世界的にも貿易総額の大きな大型の協定です。
この協定では、貿易だけではなく、投資や知的財産など他の分野についても規定されています。

各国が個別に協定を結ぶのではなく、複数の国がまとまって1つの協定を結んだことは、原産地規則や輸入手続きなどのルールの共通化に繋がるため、従来より大きな経済効果を期待できます。

また、貿易取引者にとっても、貿易をより行いやすくなるというメリットを期待できます。

RCEPの参加国

主に東アジア地域の国が参加しています。
2023年1月現在、RCEPに参加している国は以下のとおりです。

日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム

RCEPの注目ポイント

貿易取引者にとって最大の注目ポイントは、この協定に中国と韓国が参加している点です。
両国とも日本の主な貿易相手国でありますが、個別には協定を結んでおらず、両国とは初めての協定締結となります。
このことからも、RCEPは日本にとって大変重要な経済連携協定と言えるでしょう。

貿易におけるRCEPのメリット

貿易におけるRCEPの最大のメリットは、RCEP上の特恵税率を利用できることです。
RCEPの参加国と貿易を行っている場合には、このメリットを享受できる可能性があります。

特に、中国、韓国と貿易を行っている場合、日本は両国と個別に協定を結んでいませんので、RCEPを活用できれば大きなメリットを享受できます。

中国から日本への輸入例

実際に、RCEP上の特恵税率を確認してみましょう。

例えば、中国から、100万円分の生鮮種ばれいしょ(輸入統計品目番号:0701.10-000)を輸入するとします。

税関のホームページに掲載されている実行関税率表を確認してみますと、2023年4月1日現在、基本税率は5%、WTO協定税率は3%で設定されているのに対して、RCEP税率は無税となっています。

計算上の納めるべき輸入関税は、それぞれ、基本税率では5万円、WTO協定税率では3万円、RCEP税率では0円となります。

このように、輸入品目によっては有利な関税率が設定されています。
RCEPをうまく活用することで、納めるべき関税額が減少する又はゼロとなるので、貿易業者にとっては物流コストの削減に繋がります。

輸入におけるRCEP活用の検討手順

ここでは、輸入におけるRCEP活用の検討手順を確認していきます。
確認しなければならない主な内容は、RCEPで設定されている協定税率との適用条件です。

これらを確認し検討した結果、RCEPの活用にメリットがあると判断した場合には、是非活用に向けて準備を進めましょう。

輸入品目番号の確認

まずは輸入品目番号を確認しましょう。
この番号は、税関ホームページ上の輸入統計品目表から確認できます。

輸入品目番号の確認は、プロの通関士であっても間違えることもある大変難しい作業です。
税関の事前教示制度を活用したり、起用物流会社へ相談したりして、確実丁寧な作業をお勧めします。

輸入税率の確認

次に、輸入税率を確認します。
輸入品目番号と同様に、税関ホームページ上の輸入統計品目表から確認できます。

原産地規則の確認

経済連携協定(EPA)を活用するためには、その締結国の原産品でなければなりません。
単純に、相手輸出国が締結国であることや、締結国から輸送されることだけでは、原産品としては認められません。

原産品として認められるためには、RCEPで定められた原産地規則を満たす必要があります。

原産地規則については、輸入品目毎に細かく定められています。
税関や外務省のホームページ等で確認できます。

原産地証明

輸入申告の際は、輸入しようとする商品が相手国の原産品であることを証明する必要があります。

経済連携協定によって採用されている証明制度は異なりますが、RCEPでは、第三者証明制度のほか、認定輸出者自己証明制度、自己申告制度が採用されています。

①第三者証明制度

現在日本が締結している経済連携協定において、最も一般的なのが第三者証明制度です。
指定された事業者(第三者)が原産地証明書を発行するというものです。

例えば、日本においては、日本商工会議所が経済産業省から指定発給機関に指定されています。
同所が、輸出品が日本の原産品であるかどうかを審査し、承認した場合のみ原産地証明書を発行します。

②認定輸出者自己証明制度

認定を受けた輸出者が原産地証明書を作成する制度です。
経済産業大臣が認定を行います。

③自己申告制度

輸出者または輸入者が自ら原産地申告を作成する制度です。
日本では、日豪EPAで初めて採用となりました。
原産地申告を作成する者は、RCEPで定められた事項を記載しなければなりません。

RCEP協定税率で輸入申告

輸入申告の際には、輸入品目や輸入額等のほか、RCEP協定税率を適用する旨を併せて税関に申告しなければなりません。
自動的に適用とはなりませんので、注意しましょう。
もし通関業者に輸入手続きを委任している場合には、RCEP協定税率を適用する旨を事前に伝えておきましょう。

RCEP活用検討時の注意点

RCEPの参加国と貿易を行っている場合であっても、一律に全てのケースでRCEPを活用することが良いとは限りません。

基本税率やWTO協定税率など、利用できる他の税率の方がRCEP税率より有利なケースや同じケースであれば、わざわざRCEP協定税率を利用する必要はありません。

例えば、中国から、ゴルフボール(輸入統計品目番号:9506.32-000)を輸入するとします。
税関のホームページに掲載されている実行関税率表を確認してみますと、2023年4月1日現在、基本税率、WTO協定税率、RCEP税率のいずれも無税となっています。

この場合、 RCEP税率ではなく基本税率を適用する方が良く、わざわざRCEPを活用して、協定で定められた原産地証明書の提出等の条件を満たす必要はありません。

このように、輸入品目、輸入しようとする商品の生産方法などによって、輸入者にとってベストな輸入手続きの方法は変わります。
RCEPを活用する際は、事前に十分な検討を行いましょう。

中国の動向

2021年に中国がTPPへの加盟を申請しました。
しかしながら、2023年5月現在、同国の加盟は未だ実現していません。
中国のTPP加盟について、賛成する国もある中で、日本は慎重な姿勢をとっています。
加盟に向けた交渉も始まっていませんが、中国の巨大な市場は魅力的であり、RCEPと併せてTPPについての動向も確認を続けておきたいところです。

まとめ

今回はRCEPについてご紹介しました。
RCEPの最大の注目ポイントは、日本が個別に協定を結んでいない中国と韓国がRCEPに参加している点です。
もし貿易においてRCEPを上手く活用することができれば、その取引者は大きなメリットを享受できます。
ただし、RCEPの活用には事前の確認と準備が必要です。
RCEPの活用を検討している場合には、税関や物流会社等に事前に相談してみても良いでしょう。

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