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貿易における一括搬入と個別搬入の違いとは 注意点とともに解説

船で外国から到着した貨物は、船から積卸された後、まずはコンテナヤードと呼ばれるコンテナを一時的に保管する場所に運び込まれます。

コンテナヤードへの運び込びが完了すると、船会社はNACCSというシステムを使って、税関に対してその報告を行います。
報告には、一括搬入と個別搬入と呼ばれる2種類の方法があります。

今回は、一括搬入と個別搬入について、その違いと注意点をご紹介します。

搬入とは

外国から到着した貨物は、航空輸送でも海上輸送でも、まずは保税地域に運び込まれます。
保税地域に運び込むことを、搬入と言います。

海上輸送の場合は、船からコンテナが積卸されて、コンテナヤード(CY)という場所に運び込まれます。
コンテナヤードは、通常、船会社またはその協力会社によって管理されています。

全てのコンテナのコンテナヤードへの運び込びが完了すると、船会社は税関に対してその報告を行います。

具体的には、NACCSというシステムに船積みデータを登録することによって、報告がなされています。
船積みデータが登録されることを、一般的に「搬入があがる」と言います。

NACCSは、輸入者や通関業者も利用することができるシステムであり、搬入があがったことも、そのNACCSで確認することができます。

原則として、外国から到着した貨物は、搬入された後でなければ輸入申告はできません。
搬入があがった後、輸入者はその申告を行えるようになります。

一括搬入とは

船会社は、基本的にはその船からコンテナの積卸し、全てのコンテナが保税地域に運び込まれた後、一括して税関に対してその完了を報告します。
これを、一般的には一括搬入と呼ばれています。

FCL(フルコン、荷主がコンテナ1本丸ごと使っているコンテナのこと)の場合、入港日の翌日以降に一括して搬入が上がることが多いです。

LCL(複数の荷主の貨物が混載されているコンテナのこと)の場合、少し時間がかかり、入港日から数日後に搬入があがります。

搬入予定日は、船会社のホームページや電話での問い合わせによって確認する事ができます。

一括搬入のメリット

基本的なサービスなので、追加コストは特段かかりません。

一括搬入のデメリット

全てのコンテナ分が完了するまで待たなければいけないため、時間がかかります。
少しでも早く貨物を引き取りたい場合であっても、全てのコンテナの保税地域への搬入が完了するまで、待たなければなりません。

個別搬入とは

個別搬入とは、少しでも早くコンテナを引き取れるようにするため、荷主から依頼を受けた船会社が、そのコンテナを他のコンテナより優先して対応し、個別に税関に対して搬入の完了を報告すること、又はそのサービスのことです。

依頼することによって、船会社は有料で対応してくれます。

個別搬入のメリット

一括搬入よりも早く搬入があがります。
一括搬入の場合、搬入があがるのは基本的に入港日の翌日以降であるのに対して、個別搬入の場合、船の入港時刻にもよりますが、入港日当日に搬入があがることがほとんどです。

個別搬入のデメリット

有料サービスとなっています。
1日でも早く貨物を引取りたい等、特別な事情があるときに個別搬入を依頼すると良いでしょう。

注意点

個別搬入を依頼することによって、船会社はコンテナを早く引き取れるように優先して対応してくれます。
ただ、搬入があがっただけでは、輸入者はまだコンテナを引き取ることはできません。

搬入があがった後の、輸入申告や保税運送承認申請等、輸入者側の対応も素早く行わなければならないことに注意しましょう。

HDS(ホットデリバリーサービス)(※要チェック!社内用)

全てではありませんが、一部の船会社ではHDSというサービスを行っています。
こちらも、個別搬入と同様に、コンテナを早く引き取れるように対応してくれる有料サービスです。

個別搬入と合わせて、HDSについても確認してみましょう。

HDSとは

HDSとは、依頼を受けた船会社が、コンテナを早く引き取れるようにするために、積み込み地にてあらかじめ積卸しがしやすい船の位置に積み込んでくれるサービスのことです。

HDSと個別搬入の違い

港に到着したコンテナ船は、ガントリークレーンという機械によって、通常は、上に積まれたコンテナから順番に積卸しされていきます。

一方で、HDSを依頼した場合は、その対象のコンテナが他のコンテナより船から早く積卸しされ、搬入も優先して行われます。

個別搬入よりHDSの方が、積卸ししやすいように物理的にも考慮されているぶん、より早く貨物を引きとりやすいサービスであると言えます。

HDSの注意点

HDSは、船会社が提供しているサービスですので、船会社によって条件が異なったり、そもそも対応していない船会社があったりします。

また、HDSは積み込み方を考慮してくれるサービスである都合上、船会社への依頼はコンテナを積み込む前に行わなければなりません。

個別搬入の依頼であれば、積み込み地を出港した後でも間に合うことがほとんどです。
依頼のタイミングが異なりますので、利用する際は勘違い等のミスがないように気をつけましょう。

まとめ

今回は、一括搬入と個別搬入について、その違いと注意点をご紹介しました。
一括搬入と個別搬入にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
コストを重視する場合には一括搬入のままで、急ぐ場合には個別搬入を依頼するのが良いでしょう。
また、HDSを利用できる場合には、こちらもあわせて検討しても良さそうです。

海上輸送はスケジュールより遅れると心得て対応しましょう。
納期が厳しい場合は、航空輸送をお勧めします。
状況に応じて、希望するサービスを利用しましょう。

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