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美術品の国際輸送ガイド:輸送時の注意点と準備の3つのポイント

世界でたった一つ、唯一無二の美術品。

日本だけでなく世界に作品を届けたい!また世界の素晴らしい作品を日本で紹介したい!と博物館や美術館で展示が開催されることもあります。

昨今では、国際輸送のサービス向上で、本物の作品に触れる機会が増えています。

デジタルで画面を通して、または写真でしか見られなかったようなものが、日本の博物館で特別展が開催されたりしています。

さて、このような美術品の輸送はどのように行われているのでしょうか。

今回は、個人で製作されているかた向けに、美術作品の輸送時のポイントや料金、送る前の注意点などをご紹介します。

美術品とは?国際輸送で扱われる対象物

美術品と聞くと、多くの人が書画・彫刻・工芸品などの伝統的な作品を思い浮かべるでしょう。

しかし、国際輸送においては、それだけにとどまりません。

輸送対象となる美術品には、以下のようなものが含まれます。

  • 歴史的に価値のある作品:著名な画家による絵画、彫刻、陶芸品など。
  • 現代アート:新進気鋭のアーティストによる一点ものの作品。
  • デザイン・工芸品:陶器、ガラス製品、家具、テキスタイル作品など。
  • 骨董品(アンティーク):歴史的価値を持つ古美術品や希少な装飾品。
  • 展示会・見本市の出展作品:新作の商品やデザインプロトタイプ。

美術品は基本的に一点ものであり、個々の特性に応じた慎重な輸送手配が求められます。

また、展示会や見本市へ出展する新作作品については、美術品としての価値だけでなく、商業的な側面も考慮する必要があります。

その場合、一時輸出入の際に使用される「カルネ(ATAカルネ)」を活用した輸送が推奨されます。

さらに、美術品の範囲は明確に定義されているわけではなく、例えばイタリア製の75年以上経過した一点ものの家具なども、美術品輸送の対象になることがあります。

このように、美術品としての扱いは多岐にわたり、その輸送には専門的な知識と慎重な準備が不可欠です。

美術品を運ぶ方法:輸送手段を比較

日本から海外へ小包を発送する方法は、大きく下記のような方法があります。

  • 美術品の専門サービスを利用する。
  • フォワーダーに依頼する。
  • 美術品の専門サービスを利用する。

美術品を扱う国際輸送業者はあまり多くなく、美術品輸送に特化した業者やサービスを持った大手企業が扱っています。

美術品輸送 | 専門輸送  |  物流サービス | 日本通運 (nittsu.co.jp)

美術品専用輸送サービス – JALCARGO国際貨物

1977年に結成された、世界34か国76社が加盟する美術品輸送規格水準向上を目的としたICEFAT(International Exhibition and Fine Art Transporters)に加盟している輸送業者もいます。

美術品輸送 ヤマト運輸 (y-logi.com)

ロジスティクス事業 | カトーレック株式会社 (katolec.com)

フォワーダー依頼のメリット

フォワーダー(国際利用運送事業者)とは、貨物を預かり、船舶・航空・鉄道・トラックなどの輸送手段を手配し、国際貨物輸送を行う専門業者です。

フォワーダー自身が輸送手段を持つわけではなく、各国の運送会社や通関業者と連携して、スムーズな輸送を実現します。

フォワーダーを利用するメリット

  1. 最適な輸送方法を提案
    ・費用を抑えたい場合や、サイズが大きな荷物の輸送も相談可能。
    ・航空便・船便のどちらも手配できるフォワーダーを選ぶと、柔軟な輸送計画を立てられる。
  2. 世界各国のネットワーク
    ・フォワーダーは各国に代理店を持ち、貨物が予定通りに輸送されているかを現地で確認。
    ・目的地の通関業者とも連携しているため、通関手続きをスムーズに進められる。
  3. 梱包や通関のサポート
    ・美術品輸送に適した梱包業者とのネットワークがあり、安全な梱包を手配可能。
    ・通関手続きに必要な書類の準備やアドバイスも提供されるため、輸送トラブルのリスクを軽減できる。

弊社にご依頼いただけますと費用と納期に合わせて、航空便と船便、どちらも手配可能です。

世界各所に代理店を持っており貨物が輸送する国へちゃんと届けられているか、また現地の配送が予定通り行われているかの確認や、梱包業者、通関業者との繋がりもあるので梱包も最適な荷姿で仕上げることが可能です。

美術品輸送の手続きと書類準備

美術品の国際輸送をスムーズに進めるためには、まず輸送する商品がどのような美術品であるかを明確にすることが重要です。

商品の特性や輸送の目的(販売・展示・個人使用など)、納期の有無を把握し、最適な輸送方法を選定する必要があります。

ここでは、「木を用いた美術品」について日本からイタリアの輸出でお話したいと思います。

輸入可否を調査

日本の国内輸送ではあまり問題にならない木の種類。国際輸送では木の種類を特定し、輸入したい国に輸入できるか調べる必要があります。

木の種類について調べるのはなぜか?それはこの条約があるからなんです。

ワシントン条約|外務省 (mofa.go.jp)

ワシントン条約、これは1975年7月1日に発効した条約ですが、CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約で、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的としています。この条約に基づき、対象となる木材を使用した美術品は、輸出入に際して特別な許可が必要になります。

輸出したい商品の木がこの条約規制対象に含まれてないか、まずは輸出国で調べなければなりません。

輸出国での確認手順

  1. 学術名の特定:ラテン語の学術名を確認。
  2. CITES付属書(リスト)の確認:リストに掲載されているかをチェック。
  3. 規制対象の場合:輸出・輸入の際に外為法に基づく手続きを行う。
  4. 規制対象外の場合:インボイスに学術名や原産国を記載し、税関が確認しやすいようにする。

輸出国でワシントン条約の規制対象に含まれていないようであれば、輸入国でも同様に輸入できるか確認しましょう。(特に木の輸入には厳しい国もありますので、注意が必要です。)

また、個人の方向けの特例制度もあります。
個人の方向けの特例制度に関する情報 (METI/経済産業省)

輸送方法の選定ポイント

木の種類が特定できたら、輸送方法を検討していきましょう。

航空輸送をするのか、海上輸送でおくるのか。日本からイタリアへ送る場合を考えると、航空輸送だと商品の集荷から現地への到着まで直行便だと、輸出通関や輸入通関で問題が無かった場合1週間~10日、経由便だと10日~15日くらいで到着しますが、海上輸送だと50日~60日も掛かります。

最近は積替え地での混雑もあり更に一週間かかることもあります。海上を運航するコンテナ船のコンテナ内は50℃にもなります。温度管理のできるコンテナもあるので適温に保ったリーファーコンテナを使用するのがよいでしょう。

LCLで温度設定しているサービスはないので、リーファーコンテナ1本を使用することになりますが、他の貨物と一緒になることがないなど利点もあります。

梱包

木を用いた美術品は、湿気・乾燥・振動・衝撃による損傷リスクがあるため、慎重な梱包が必要です。

  • 耐湿、耐乾燥対策:乾燥剤(シリカゲル)を同梱し、湿気による劣化を防ぐ。
  • 緩衝材の使用:エアキャップや発泡材で振動や衝撃を吸収。
  • 固定対策:角当てやクッション材を使用し、輸送中の動きを最小限にする。
  • 木箱梱包:強度のあるクレートを使用し、輸送時の安全性を確保。

保険の付保

最後に、保険を付保するのを忘れないようにしたいものです。保険は盗難保険のみでなく、保険会社によっていろいろなサービスがあるので、輸送途中の破損や汚損などもカバーしてもらいましょう。

  • 盗難・破損・汚損の補償範囲を確認
  • 美術品輸送専門の保険を選択(一般的な貨物保険では補償されない場合あり)
  • 保険金額を適切に設定(過小評価しない)

書類の準備

書類の準備は、インボイスと呼ばれる商品内容と代金、数量を記載した書類が必要になりますので、ご自宅で準備しましょう。また自身で梱包した場合は、パッキングリストも作成します。(見本市へ出展するのであれば、カルネも申請するとよいでしょう。)

インボイスに記載する内容

  • 差出人名、住所、電話番号
  • 受取人名、住所、電話番号またはメールアドレス
  • 内容品名、個数、代金
  • 総重量、大きさ
  • 送るものがワシントン条約の規制外であることの記載(必要に応じて)

書類記入時の注意点

先方へのプレゼントだからといって、商品代金を0円と記入はできません。
たとえ家にあったものを送るとしても、0円ではなく市場価格で適正な値段を記載する必要があります。

あとは、フォワーダーに依頼して発送をしましょう。

フォワーダーに依頼した場合は、追跡サービスを行っている会社もありますが基本的に現地の代理店と直にメールのやり取りをしているので、貨物情報を聞けば調べて教えてくれます。

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