これからアメリカへ輸出する商品の方、こんな疑問や悩みがありませんか?
アメリカ向けの輸送手段は何があるの?
アメリカ向けの輸出貨物があるけど、何から手を付けたらいいのか分からない。
商品によって輸出規制はある?
フォワーダー歴6年。
アメリカにも現地法人を持つフォワーダーへ勤務し、輸出入の経験多数。
アメリカ向けの輸送手段は何があるの?
海外までの輸送手段を選ぶ
日本から海外へ小包を発送する方法は、大きく下記のような方法があります。
・郵便局から国際小包で送る。
・Door to Doorサービス(国際宅急便)を利用する。
・フォワーダーに依頼する。
・郵便局から国際小包で送る。
メリットは何といっても、手軽で安いところですね。送りたいものを段ボールに詰めて、日本郵便へ。送り先、送り主なども先に送り状をもらって記入しておけば、自宅で準備出来ます。
また日本中どこでもあるので、気軽に相談する事ができます。送り方には、船便、SAL便、航空便、EMS(国際スピード郵便)があります。
郵便局HP「料金・日数を調べる」料金・日数を調べる | 国際郵便 | 日本郵便株式会社 (japanpost.jp)
*荷物を発送した後は必ず送り状(控え)を保管しておきましょう。日本郵便のWebから追跡が可能です。
(2021年1月1日から米国向けは通関電子データの送信が義務化されました。手書きのEMSラベルは受け付けてもらえないので、「国際郵便マイページ」を利用しましょう。)
現在、アメリカへの発送は、船便のみ受け付けています。(航空便の減便やスペース不足により、航空便、SAL便、EMSは宛先により制限を設けています。)
・Door to Door(国際宅急便)サービスを利用する。
Door to Doorサービスとは、宅配便の国際版のようなイメージです。DHLやFedEx, UPSといった輸送会社のかたが自宅まで集荷に来てもらえます。事前に送り主の登録が必要なので、集荷前に早めに登録を済ませておきましょう。(着払いもできますが、送り先の方の顧客番号が必要になります。)
・フォワーダーに依頼する。
フォワーダーとは、国際利用運送事業者のことで、お客様からの貨物をお預かりし、他の業者の運送手段(船舶・航空・鉄道・トラックなど)を利用し、貨物輸送を行う事業者のことです。ちょっと大きな荷物になってしまった場合で費用も抑えたい時は、国際貨物輸送のプロ(フォワーダー)に尋ねると大きな力になってくれます。航空便と船便、どちらも手配可能なフォワーダーがいいでしょう。
現在、航空便のスペース、また船便のコンテナやスペースが不足しているため、ブッキングが取りにくくなっています。貨物が出来上がっていても、スペースが取れない場合は出荷できないので、早めにフォワーダーに問合せしましょう。
アメリカ向けの輸出貨物があるけど、何から手を付けたらいいのか分からない。
1.貨物の準備とともに、商品がアメリカで輸入できるものか確認しましょう。
日本で確認することもできますが、アメリカの荷受人(バイヤー)に確認したほうが確実です。(建値(インコターム)と輸入できるかどうか、聞いてみるとよいでしょう。)
2.書類を準備しましょう。
海外へ荷物を送る時、カートンに貼り付ける送り状だけでは送ってもらえません。
インボイスと呼ばれる商品内容と代金、数量を記載した書類が必要になりますので、ご自宅で準備して持参しましょう。(フォーマットはEMSのWebからダウンロードできます。)
インボイスに記載する内容
・差出人名、住所、電話番号
・受取人名、住所、電話番号またはメールアドレス
・内容品名、個数、代金
・総重量、大きさ
注意!
先方へのプレゼントだからといって、商品代金を0円と記入はできません。
たとえ家にあったものを送るとしても、0円ではなく市場価格で適正な値段を記載してくださいね。
商品によって輸出規制はある?
【食品】
アメリカ保健福祉省・食品医薬品局FDA(Food and Drug Adoministration)の基準を満たすものかどうか確認する必要があります。賞味期限もあるので、受け取り側国の通関事情も事前に調べましょう。
【車】
FMVSSの安全性基準を満たすものであるかどうか。対象車両のバンパー、ミッションなどの安全性や排出ガス基準など、輸出前に確認しましょう。
【植物や植物からの製品、種子】
ワシントン条約にふくまれている植物は輸出できません。植物は英名で調べます。
【電化製品】
コンセントプラグの形が異なるので注意しましょう。また電圧と消費電力も日本と異なるので、バイヤーと確認しましょう。
【その他】
薬や生きた動物、子供用おもちゃなど、米国で商用として販売されるものには、輸入通関で貨物を止めないよう事前の確認が必要です。
商品がアメリカの輸入規則にそぐわない場合は、滅却処理(破壊して廃棄する方法)、または積戻し(シップバック)になりますので、輸入もできず費用だけがかさみます。まずは、バイヤーに確認するか、書類を送って通関業者に確認してもらいましょう。
小包で送る場合は、シングルカートンではなくダブルカートンを使用し、中身をしっかり詰めたらテープで封をしましょう。積替え地や到着地での商品の抜き取りを防ぐため、可能であれば、テープは珍しい色の物を使用したり、破れにくいものを使うといいでしょう。
海外では思いのほか、手荒い扱いを受けるのでカートンの中にも緩衝材を入れるなど、念には念をいれてダメージを最小に防ぐ工夫が必要です。
海上便を使って輸送する場合は潮の影響もある場合があり、航空便でも雨で水濡れの危険性は少なからずありますのでビニールに包んでからカートンに詰めるのもいいかもしれません。
準備ができたら、EMSの場合は日本郵便へ、Door to Doorサービスを利用する場合は集荷をお願いするか営業所へ持ち込みします。フォワーダーに依頼している場合は、集荷に来てもらうのか、指定された倉庫まで運ぶなど指示に従いましょう。
無事に預けることができたら、送り状番号を先方にお伝えしておくとよいでしょう。送り状番号をWebで追跡していくと、送った貨物が今どこにあって、どのような手続きをされているかが分かります。
フォワーダーに船便を依頼した場合は、輸出通関後、AMS(AUTOMATED MANIFEST SYSTEM)とISF(IMPORTER SECURITY FILING)の登録が必要なので船の出港までに1週間取ってあります。これは、米国へどのような商品がどれくらい、どこの輸出者からどこの輸入者へ、いつ、どの船で輸入されるかを登録する物流セキュリティー規制の一つです。
追跡サービスを行っている会社もありますが基本的に現地の代理店と直にメールのやり取りをしているので、貨物情報を聞けば調べて教えてくれますが、大手になるとカスタマーサービスと輸出業務、営業が分かれていたりして、時間が掛かることがあります。
この記事を読んだ方にオススメの記事はこちら!