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間接貿易と直接貿易の違いとは? それぞれのメリット・デメリットとともに解説

貿易取引には様々な種類があります。

商社に貿易を代行してもらう間接貿易と、自社で全ての貿易業務を行う直接貿易もその1つです。

本記事では、間接貿易と直接貿易の特徴、メリットとデメリットをそれぞれ紹介し、どちらの貿易方法を選ぶべきかについても解説をしていきます。

間接貿易とは?

間接貿易とは、自社ではなく商社などの仲介業者を通じて海外と取引を行う方法です。
豊富なノウハウとビジネスネットワークを持つ商社に、貿易取引、販路開拓、国際輸送、貿易リスクのマネージメントを一括してまかせることができます。

たとえば、日本のメーカーが国内の商社に製品を販売し、その商社が海外の顧客に輸出・販売するという流れが一般的です。
メーカーは海外取引に直接関与せず、輸出入の手続きや交渉、リスク対応を商社に任せることができます。

なお、似た形態に「仲介貿易(3国間貿易)」がありますが、こちらは第三国に拠点を置く業者が取引の仲介を行う点で異なります。

  • 間接貿易:国内の商社が取引を代行
  • 仲介貿易:第三国の業者が取引を仲介

次に、間接貿易のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

間接貿易のメリット

間接貿易のメリットをまとめました。

  • 商社が持つ豊富な貿易のノウハウ、ビジネスネットワークを利用できる
  • 複雑な国際輸送や通関の手続きを商社に一任できる
  • 商社には外国語が堪能なスタッフがいるので、言語と商習慣の違いによるトラブルが起きにくい
  • 顧客との納期や品質についての交渉・調整がより円滑にできる
  • 少ロットの仕入れなど小規模取引にも柔軟に対応してもらえる
  • 国内の商社と決済を行うので為替リスクを避けられる

こうした仕組みにより、メーカー側は製品開発や供給に専念する時間的余裕が生まれ、さらに商社の販路を活用することで、新たな市場への進出チャンスも広がります。

間接貿易のデメリット

一方で、間接貿易には下記のデメリットがあります。

  • 商社のマージン分が上乗せされた仲介手数料が発生する
  • 手数料の影響で、自社の価格競争力が低下するリスクがある
  • 商社を介するため、顧客との直接交渉が難しくなる場合がある
  • 市場のニーズや動向を自社で直接に把握しにくい
  • 商社に任せても、貿易上のリスクや品質、法的な責任は自社が負う必要がある

商社を通すことで一定の負担は軽減されますが、すべてのリスクが消えるわけではない点には注意が必要です。

直接貿易とは?

直接貿易とは、輸出者と輸入者が第三者を介さずに直接取引を行う貿易形態です。
商社などの仲介業者を通さないため、仲介手数料が発生せず、利益率を高められる可能性があります。

一方で、契約・通関・輸送・決済などの業務をすべて自社で行う必要があり、業務負担やリスクも大きくなります。
次に、直接貿易のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

直接貿易のメリット

自社で貿易取引を直接行うメリットをまとめました。

  • 商社に支払う仲介手数料が不要で、コストを抑えられる
  • 顧客と直接コミュニケーションが取れるため、自社の意向を伝えやすい
  • 海外市場のニーズや動向をリアルタイムで把握できる
  • 取引先との信頼関係を直接深めることによって、取引条件を有利にできる可能性がある
  • 自社に貿易と国際輸送のノウハウを蓄積できる

自社がすべての取引に関わるため、市場感覚を磨き、長期的な競争力を高める機会にもなります。

直接貿易のデメリット

一方で、直接貿易には下記のデメリットがあります。

  • 商社のノウハウとビジネスネットワークが利用できない
  • 貿易取引における信用、為替、国際輸送のリスクとコストを負担することになる
  • 自社で製品の品質保証とクレーム対応をしなければならない
  • 自社で貿易と国際輸送のノウハウの蓄積、ビジネスネットワークの開拓をすることが必要になる
  • 信頼できる物流業者の選定や契約を自社で進めなければならない
  • 現地の法律・商習慣・言語など、国ごとの違いにも自ら対応する必要がある
  • 売買契約に信用状(L/C)の発行が含まれている場合は、自社で取引銀行に発行手続きを行う必要がある

直接貿易には柔軟性とコストメリットがある反面、高度な専門性とリスク管理体制が求められる点を理解しておく必要があります。

間接貿易と直接貿易のどちらを選ぶべきか?

間接貿易と直接貿易のどちらを選ぶべきかは、自社の状況よって異なります。それぞれの貿易形態の特徴や、時間的・金銭的コスト、自社の実力と方向性などを総合的に判断した上で、最適な方法を選択しましょう。

もし、自社に貿易、国際輸送の経験があまりないようであれば、商社を通した間接貿易は現実的な選択肢だと言えるでしょう。間接貿易を行いたい場合は、商社の特徴を慎重に確認した上で、依頼先を選ぶことが大切です。

一方で、直接貿易を選ぶ場合は、全ての業務を自社で行うことによる労力、コスト、最終的な利益が、間接貿易よりも良いものであるかを十分に事前確認することが必要です。

まとめ

商社に貿易を代行してもらう間接貿易と、自社で全ての業務を行う直接貿易には、それぞれ異なる特徴と、メリット・デメリットがあります。

貿易方法を選ぶ際には、どちらがより自社の状況に適しているかを見極めることが重要です。

それぞれの貿易形態の一面だけを見て判断することは避けるべきでしょう。

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