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インドに輸出するときのポイントや注意点を分かりやすく解説

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インドはGDP成長率が7.0%(2022年度:世界銀行資料)と現在も目覚ましく発展している国です。最大の貿易相手は中国であり、それにアメリカが続いております。日本は第13位(2022年度:インド政府資料)とまだまだ伸びる余地があります。この記事ではこのインドを相手に輸出するときのポイントや注意点を分かりやすく解説していきます。

それでは契約の締結から輸出まで順を追って解説を進めていきます。

契約の締結

 

契約を締結し契約書(CONTRACT SHEET)を発行し、お互いにサインを交わせば契約が成立となります。基本的には以下の項目が契約書に記載されます。

  • 契約当事者(輸出企業名とインドの取引先企業名)
  • 契約商品の品目、数量、単価
  • 支払条件(支払方法、通貨、支払期日等)
  • 配送条件(インコタームス等の配送責任の区分)
  • 品質管理条件(検査の方法、不良品の扱い等)
  • 責任の所在(輸出入許可取得責任、商品の瑕疵責任等)
  • 紛争解決(仲裁地や適用法令等)

特に注目するポイントは、支払条件、品質管理条項、責任分界点です。不明な専門用語があれば必ず確認し、不利な条件が含まれていないことを必ずチェックしましょう。

輸出に関する法令の確認

契約した商品を輸出するにあたって日本国内およびインドにおける法令を確認する必要があります。これを怠ると大きなトラブルの原因になり最悪、商品が輸出できなかったりインドにおいて輸入ができなかったりします。

日本国内の法令

日本から商品を輸出する際には仕向け地がインドに限らず守らなくてはならないルールがあります。その一つが「貿易管理令」です。輸出する商品がこの「貿易管理令」に該当する商品かどうかを事前に確認し、必要な場合は経済産業省などに輸出許可の申請をしなくてはいけません。

貿易管理令は、日本から海外に製品や技術を輸出する場合に、国際平和と安全保障の維持のために遵守しなければならないルールを定めた命令です。

主な内容は以下の通りです。

  • 輸出を規制する貨物や技術のリスト(輸出貿易管理令別表)があり、これらを輸出するには経済産業大臣の許可が必要。
  • 輸出する製品や技術が軍事転用される恐れがある場合、事前確認が必要。
  • 輸出先や needs 者が治安維持の観点から問題がある場合、許可が下りない。
  • 許可なく戦略物資等を輸出すると罰則が適用される。

この法律の目的は国際平和を守ることです。輸出者はこの法律に従い、禁輸品の輸出防止に努めなければなりません。この貿易管理令の中に出てくる輸出貿易管理令別表については以下に詳しく説明しました。

輸出貿易管理令別表とは、規制対象となる貨物や技術のリストです。主に、武器や双用品(軍事及び民生の両用途に用いることができる貨物)がリスト化されています。リストに掲載された品目を輸出する場合、経済産業大臣の許可が必要となります。別表には15項目が記載されており、1項は武器、2項は天然ウランなどが規制対象となっています。貨物の他、技術やソフトウェアも規制対象としています。リストは国際レジームに合わせて定期的に更新されています。ですから自社の輸出品がリストに該当するか注意して確認する必要があります。リストは経済産業省のウェブサイトでも確認できます。

このように、輸出貿易管理令別表は、国際平和を守るための重要なリストとなっています。

インド国内の法令

インド政府は輸出に関して厳格なルールを設けており国内の産業を保護する立場をとっています。ですから事前にこのルールを確認し輸出する商品が該当するのかどうかをチェックする必要があります。

インドにおいてはインドの標準規格BIS(Bureau of Indian Standards)が日本から商品を輸出する際に非常に重要となります。インドの標準規格BISについて説明します。

BISはインド政府が定める強制規格で、インドで販売される製品はBISマークを取得し、規格に適合していることを証明しなければなりません。

例えば、電気製品の場合、安全性や品質がBISの規格に沿っているかどうかを試験して認証を受け、BISマークを取得します。規格不適合の場合は販売できません。

具体的なBIS規格には、食品分野の「スパイスに含まれる微生物数の上限値」や工業製品の「玩具の安全要件」などがあります。

日本企業がインドに製品を輸出する際には、対象品目のBIS規格を事前に確認し、認証取得のための試験を受ける必要があります。インドでの販売不可を避けるために重要なプロセスです。

インドに輸出する際に特に注意する点

インドに商品を輸出する際の注意点を、具体例とともに説明します。

  • インドの関税率の確認
    インドの関税率は商品によって異なり、10-20%と高いものが多いです。関税負担を避けるため、FTA(自由貿易協定)の活用も検討しましょう。
  • インド標準規格(BIS)適合の確認
    電気機器など安全性が求められる商品は、BIS適合検査にパスする必要があります。
  • ラベリング規則の確認
    商品の包装はインドの公用語であるヒンディー語表記が必要です。 英語の併記も推奨されます。
  • インド内の流通事情の把握
    インド国内の輸送インフラの未発達を考慮し、船便、鉄道トラックと複数の輸送経路を利用するケースが多いです。
  • 輸入免許(IECコード)の取得支援
    インド側の輸入者がIECコードを取得できるようサポートします。取得には時間がかかる場合があります。

IECコードは、インドでの輸出入を行うすべての企業・個人が取得が必要なコードです。10桁の数字と文字からなる唯一のコード番号が付与されます。これはインド商業省のDGFT(Directorate General of Foreign Trade)が発行しています。取得には、会社登記証明書、ID証明書、事業計画書の提出が必要です。コード発行まで2-4週間程度の期間がかかります。インド側の輸入者がIECコードを取得することが、インドへの輸出の前提条件です。日本の輸出企業も、インド側輸入者のIECコード取得をフォローする必要があります。インドではIECコードを提示しない輸入はできませんので、必須の手続きとなります。

このように、インドでのビジネスにはIECコードが欠かせません。輸出入取引の当事者双方が確実に取得できるよう、コード申請から発給までフォローすることが重要です。

これらの点に注意し、事前に十分な確認を行うことが重要です。

船積みの手配

具体的に船積み手配の手順を船の場合と飛行機の場合に分けて説明いたします。分かりやすくするために東京とムンバイを例に挙げて説明します。

船の場合

具体的に東京港からインド最大の商業都市であるムンバイまで輸出する場合を想定して説明を進めていきます。

東京港からインドのムンバイ港まで海上輸送する場合の所要日数は、およそ以下のとおりです。

  • コンテナ船の場合: 約 10~14日
  • 貨物船の場合: 約 20~25日

コンテナ船の方がスピード重視で設計されているため、貨物船よりも所要日数が短くなっています。実際の所要日数は、使用する船舶、寄港地の有無、航路の混雑状況などによって多少の変動が生じます。一例として、コンテナ船で東京港から香港、シンガポールを経由してムンバイ港までの航路だと、所要日数はおよそ14日程度となります。

はじめに船会社のスケジュールを確認の上、輸送のスケジューリングをする必要があります。インドまでの海上輸送には十分なリードタイムが必要です。

インドのムンバイまで船便で商品を輸出する手順を説明します。

  1. 船会社と輸送契約を結ぶ
    運賃や船便スケジュールを確認し、輸送契約書を取り交わす。
  2. 船積み書類を作成する
    インボイス、パッキングリスト、 Bill of Lading など必要な書類を揃える。
  3. 商品を工場から港まで輸送する
    トラックなどで港まで商品を輸送する。船会社に出荷予定日を通知する。
  4. 港で輸出通関を行う
    通関書類を提出し、税関の確認を受ける。
  5. 船で商品を輸送する
    決められた日時に商品を船積みする。
  6. インドの輸入通関で荷降ろし
    インドの税関で荷降ろしし、関税の支払いなど輸入通関手続きを行う。
  7. 港からインド国内に輸送
    インド側輸入者が、ムンバイ港から工場まで輸送を手配する。

以上の流れで、日本からインドへの海上輸送が完了します。

飛行機の場合

続いて成田からムンバイまで飛行機で輸出をした場合について説明をします。

成田からインドのムンバイまで航空便で商品を輸出する場合、所要日数は以下の通りです。

  • 直行便のフライト時間は約8〜9時間です。
  • フライト回数は1日1〜2便程度で、航空会社によって異なります。
  • 出発地から目的地までのトータルの所要日数は、通常2〜3日程度です。
  • 貨物便の場合は、寄港地経由で3〜4日かかることもあります。

具体的には、成田を夕方に出発し、乗り継ぎ空港で一泊後、翌日ムンバイに到着するケースが一般的です。

航空便の場合、船便の10〜14日と比べると短時間で輸送できる利点があります。もちろん料金は船便より高めですが、スピード重視の場合に選択できます。商品の重量、納期などを考えて船か飛行機の選択をしてください。

実際のスケジュールと日数は、航空会社や便によって異なりますので、事前に確認が必要です。

成田空港からインドのムンバイへの航空輸出の手順を、わかりやすく説明します。

  1. 航空会社と輸送契約を結ぶ
    運賃とスケジュールを確認し、輸送申込みと契約を行う。
  2. 航空積み込み書類を作成
    AWB(航空貨物運送状)、インボイス、パッキングリスト等を用意。
  3. 商品を工場から空港へ輸送
    トラックなどで成田空港へ商品を配送する。
  4. 空港で出口通関を実施
    輸出申告書を提出し、税関の確認を受ける。
  5. 貨物ターミナルに商品を搬入
    決められた搬入日時に合わせて、航空会社カウンターへ商品を積み込む。
  6. 航空機でインドまで輸送
    飛行機でインドのムンバイ空港まで輸送。
  7. インドでの輸入通関手続き
    ムンバイ税関で荷降ろしし、関税納付などの手続きを行う。
  8. 工場へ輸送
    インド側から輸入者が、空港からトラックで工場まで搬送する。

以上が、航空機によるインド輸出の基本的な流れです。

乙仲の利用と役割

商品の輸出入を行う場合に貿易業者(フォワーダー)を利用します。フォワーダーとは、弊社のように輸出入の取引を仲介する業者のことです。

輸出入の荷主と、外国のバイヤーの間を取り持ち、必要な手続きを代行してくれます。具体的には、輸出入の通関手続き、必要書類の作成、配送の手配等を専門に行います。また、日本の輸出企業に代わって、海外の取引先と商談や契約を行うケースもあります。言葉や商習慣の違いから生じるリスクを軽減するといったメリットがあります。フォワーダーは「仲立人」や「仲介業者」と呼ばれることもあります。

貿易実務に長けたフォワーダーに業務を委託することで、自社の負担を軽減できます。このように、フォワーダーは輸出入ビジネスにおいて重要なパートナーとなるのです。

インドへの商品輸出におけるフォワーダー役割について、わかりやすく説明します。

  1. 船積み手続きの代行業務
    輸出書類の作成、税関申告、船会社との港での手配などを代行してくれます。
  2. インド側での通関手続きの業務
    インドの輸入通関や、関税の納付手続きを現地で代理してくれます。
  3. インド側輸入者との交渉の仲介
    インドのバイヤーとの商流の調整、発注・入金のフォローをしてくれます。
  4. インド国内の輸送手配
    インド国内の輸送業者との手配や請求書の支払いを代行してくれます。
  5. インドの規制や商習慣に関するアドバイス

インドビジネスに詳しいので、様々なアドバイスをしてくれます。

このように、インド貿易についてはフォワーダーに業務を任せることで、ストレスなく取引を進めることができます。

輸出後の業務

輸出後は船積み書類をFAXまたはメールで取引先に送付します。こうしておけばインドにおける通関がスムーズに進むからです。この他にも以下のような対応をしておけばよいでしょう。

  • 支払確認
    インドの輸入企業からの代金支払いがあるか確認する。支払期日は契約書に基づくものです。
  • フォローアップ
    インド側の営業担当者と連絡を取り、今後の継続取引の可能性を探る。
  • 実績記録
    今回の取引内容を記録し、次回の商談資料として活用する。
  • 取引先の信用評価
    インド側の企業に対する信用力の評価を行う。
  • クレーム対応
    商品の破損や不具合がなかったか確認し、クレームがあれば対応する。
  • 新規顧客開拓
    インドでの知名度向上に努め、新しい取引先を開拓していく。

以上のように、一過性の取引に終わらせず、継続的な商流を作っていく努力が大切です。インド市場の更なる開拓につなげることが重要です。

まとめ

インドに輸出する際のポイントや注意点を解説してきました。輸出する際は日本国内の「貿易管理令」およびインド国内における「標準規格BIS」が大変に重要です。事前に輸出商品が該当するかどうかを調査し早めに手続きを進めてください。また、輸出にはフォワーダーの存在が大きな位置を占めることも分かりました。綿密に連絡を取り合いミスの無いように順を追って作業を進めていってください。

インドはまだまだ潜在能力を持っている国です。新たな商材、商流を開発してビジネスを発展させていってください。

この記事が参考になれば幸いです。

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