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輸出入におけるオーバーパックとは 概要やポイントをわかりやすく解説

 

海外へ配送する際、いくつかのものを一緒に送る場合、梱包や表示の仕方が決まっています。

ここでは「オーバーパックとは何か」「オーバーパックを行う際のポイントや注意点」を説明します。

オーバーパックとは?

 

オーバーパックとは、積載や荷役作業など輸送の利便性を目的とし、複数の輸送物を「パレット上に集積」もしくは「一つの箱にまとめて収納」する梱包⽅法のことを指します。

 

オーバーパックは通常、以下の方法にて梱包されます。

  • パレットのような積載用のボードに置き、紐・ストレッチラッピング・シュリンクラッピングで固定したもの
  • 木枠や箱などの保護外装の中に置かれたもの

参照:一般社団法人航空貨物運送協会 http://www.jafa.or.jp/_assets/attach/10cd37.pdf

 

よく似ているものとして「同梱」がありますので、以下にて違いを説明します。

【同梱】
同梱は、単一の箱や容器内・包装に異なる品物や物品とは別の付属物や付属品を合わせて入れること。【オーバーパック】
もともとの輸送単位で単独で輸送できる状態の荷姿のものを1つの荷役ユニットにさらにまとめて外装梱包すること。

 

オーバーパックを行う際のポイント

 

オーバーパックを行うときには「中身が見えているとき」と「見えていないとき」で表示の方法が違います。

以下にて説明します。

 

中身が見えているとき

 

中身が見えている場合、オーバーパックされた貨物上への記載事項などありません。

 

中身が見えていないとき

 

  • オーバーパックすることによって、中に収納した各貨物に貼付された「ラベリング」「マーキング」「表示」が外部から簡単に目視できない場合、以下の表示が必要です。

・それぞれの貨物と同様の「ラベリング」「マーキング」「表示」
・「OVERPACK」の表示
「ORVER PACK」表記は、この規則に該当していることを示すものです。

  • 国連規格マークを目視できない貨物が一つでも混在していれば「OVERPACK」の文字をオーバーパック上に表記する。

 

危険物のオーバーパックは?

 

危険物のオーバーパックを行う際にも「中身が見えているか」「見えていないか」によって記載が変わります。

ここでは危険物のオーバーパックを行う方法や注意点を説明します。

 

危険品の場合は、国際基準に則した容器(UN容器)やマークなどを準備する必要があります。

危険物にあたるかどうかは、各メーカーが出している「化学物質など安全データシート(SDS)」を確認してください。

 

<用語説明>

【UN番号】危険物を輸送する際に国連で定められた分類番号。

【UN容器】危険物の輸送に必要な国際危険物輸送勧告(UN規格)に適合している容器のこと。

危険物を船舶で輸出する場合の容器は、国連加盟国間の統一規格。

【UNマーク】危険物を入れた容器が国連基準(UN規格)に適合していることを表す

もの。

規格に適合した容器に付けられるマークをUNマークと言う。

海上輸送の規格だが、世界の船舶・航空・陸上すべての輸送機関において通用する。

 

中身が見えているとき

 

  • 中身が見えている場合、オーバーパックの上に書く必要はない
  • 梱包されているUN容器の表示のみでOK

 

中身が見えていないとき

 

  • 外装が段ボール箱など、中身が見えないものの場合は、以下のものを表示する

必要があります。

  1. 危険性ラベル・取扱ラベル
  2. 包装物のマーキング
  3. 正式品名
  4. 国連番号(UN番号)

 

  • 外装がUN容器ではない場合は、別途高さ12mm以上の大きさで、「OVER PACK」の表示が必要です。

その際、内装の容器が「UN容器」であることは必須になります。

 

UN容器には以下のものの表示が必要です。

・危険物の品名

・数量

・火気厳禁または火気厳禁と同一の意味を有する表示

 

危険物のオーバーパックを行う際の注意点

 

危険物のオーバーパックを行う際は以下のことに注意する必要があります。

 

  • 危険品を輸出する際は、梱包する容器の段階から、専用のものを用意する
  • UN番号が複数(2つ以上)の場合、UN番号毎に総数量(Total Qty)が必要
  • 国連規格容器を用いたオーバーパックは、UN容器マークは不要

危険物と非危険物のオーバーパックは?

 

危険物と非危険物のオーバーパックは「相互に危険な反応を起こす可能性のある物質」「隔離が必要な物質」など以外の危険物は、非危険物と一つの外装容器に収納することは可能です。

その際には、以下が必要です。

1.オーバーパック上に、危険物だとわかるように記載すること

オーバーパックされた各貨物は「包装」「ラベリング」「マーキング」「表示」を正しく行う必要があります。

 

2.貨物「ラベリング」「マーキング」「表示」ある場合、オーバーパックによって損なわれないこと

各貨物を見て、目視できない場合は以下が必要になります。

  • 「ラベル」「マーク」「表示」の再表示
  • 容器マークの替りに「OVERPACK」の表記

包装・マーキングされ、ラベル

 

まとめ

 

オーバーパックを行うには規定が多く存在するため、正しく行うことが重要です。

オーバーパックした貨物の外面を全面包装する際には「IATA危険物規則書のオーバーパック規定」に則り「ラベル」および「表示」を行う必要があります。

 

特に、危険物の場合、表示を正しく行う必要がありますので、注意が必要です。

 

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