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国際輸送における段ボール梱包について詳しく解説!

大切な商品を海外に送ったけれど、到着した時には中身がダメージを受けていた、と困った事はありませんか。

貨物を輸送する時、特に海外への発送は梱包をしっかりしていないと大変です。

大切な商品を安全に輸送するために、段ボール梱包にはどのような種類があり、使うことによってどのようなメリットがあるのか、梱包仕様の使い分けの参考になれば幸いです。

段ボールの種類

段ボールの原紙は、中芯にライナと呼ばれる波状の紙を接着したもので、厚みや波状は種類により様々なものがあります。梱包する内容物のサイズや重量、形状に応じて適切なものを選びましょう。

段ボール梱包の一番のメリットは何といっても風袋受領の軽さです。木箱に比べて約60%以上の風袋重量を削減することが可能です。重量物の航空輸送では、運賃が重量によって大きく変動するので、そのメリットは絶大です。

そしてサイズを自由に変える事容易で、開梱(梱包を開けること)も簡単です。木箱のようにネジ等を使う事もないので、身近なはさみやカッターで開けることが出来ます。

現在ではリサイクル可能な梱包材も選択の大事なポイントになっているかもしれません。その点、段ボールはリサイクルも可能なので環境に優しい素材ですね。

一般段ボール

一般的な梱包に使用され、出番が多いです。段ボールの厚みは様々ですが、国際輸送の梱包で使用するのはダブルカートンといって2段になっているものを使用します。大体8㎜くらいの厚みがあるとよいでしょう。

強化段ボール

トライウォールとも呼ばれ強度が高く、約10㎜~の厚みがあり2~3層になっており、保冷梱包の外装材としての用途もあります。一般段ボールは古紙をリサイクルされていますが、強化段ボールはバージンパルプが約95%使用された耐水性ロングファイバー・ライナを使用しています。そのため、強度は一般段ボールとは比較にならないくらい強い段ボールになっているのが特徴です。

UNカートン

危険物の梱包時に使用する強化段ボールで、UN容器とも呼ばれます。UNは国連番号とも呼ばれています。外装は耐水性になっており、梱包後は危険物ラベルやケースマーク等を貼り付けて出荷します。

内容物の危険程度に応じて、収納する容器の種類及び包装の強度等を示す3つの容器等級に分類されています。

  1. 容器等級T(表示記号:X)……高い危険性を有するもの。
  2. 容器等級U(表示記号:Y)……中程度の危険性を有するもの。
  3. 容器等級V(表示記号:Z)……低い危険性を有するもの。

UN/4G/X22・・・等の表示が必要です。

また、液体の危険物を梱包する際は、吸収剤を入れることもできます。この吸収剤は、バーミキュライトという、主に園芸用として広く使用されている土壌改良用の土で、その吸収性の高さから輸出梱包時の液体の漏れ防止用としても使用されています。

段ボール梱包の仕様

段ボールは風袋重量が軽いですが、バラ積みよりもパレット組みしたほうが効率が良いですね。

また例えば1つの段ボールで梱包できたとしても、人の手で運べるかどうかで、パレット付きにした方が良い場合があります。無理をして極端に重いものを人の手で運ぼうとすると、怪我や落下による商品のダメージの原因にもなりますね。

目安としては、梱包後30㎏までであればパレット無し、それ以上の重量になった場合はパレット積みにするなどフォークリフトで運べる仕様にしたほうがよいでしょう。

パレット付き段ボール

段ボールの下部も含めすべてが段ボールで作られており、フォークリフトで荷役可能な梱包の中では最も軽量なものです。

内容物のサイズにもよりますが、平面に積空が掛かる製品であれば1000㎏程度まで梱包が可能ですが、パレット部分も段ボールのため水濡れやフォークリフトでの荒い操作には弱い仕様です。

プラパレット付き段ボール

梱包材の上部は段ボールで、下部の荷役部分をプラスチックパレットで構成された梱包です。

パレットがプラスチック製のため、軽量で荷役作業にたいしてパレット部分の破損リスクが段ボールパレットに比べて軽減されます。

ただし、プラスチックパレットのサイズが限られるため全体の梱包サイズも限定されます。

プラスチックパレットのサイズとしては、110×110(cm)や120×100(cm)や120×120(cm)などがあります。

合板パレット付き段ボール

梱包材の上部が段ボールで、下部の荷役部分を合板製のパレットで構成された梱包で、パレット部分が合板材のため段ボールよりも荷役作業におけるパレット部分の破損リスクが大幅に軽減されます。

また内容物のサイズに合わせて梱包資材の作成が可能なので、幅広い内容物のサイズに対応可能です。

熱処理パレット付き段ボール

梱包材の上部が段ボールで、下部の荷役部分が熱処理木材パレットにより構成された梱包で、パレット部分が木製のため、段ボールよりも荷役作業におけるパレット部分の破損リスクが大幅に軽減されます。

また内容物のサイズに合わせて梱包資材の作成が可能なので、幅広い内容物のサイズに対応可能です。

様々なパレット付き段ボールがありますが、梱包専門のプロは、梱包作業はまず商品を採寸し、梱包資材を設計する所から始まります。梱包資材(段ボール)を裁断機で切り出し、パレット部分が段ボールのものは下駄と呼ばれるケタ材を取り付けていきます。ケタ材ができたら下板をケタ材の上に設置し、その上に段ボールを積載し商品を積み付けます。ここでもしっかりと商品が動かないようラップを巻いたり、バンドで固定していきます。船足が長い場合は乾燥剤を同梱することもあります。

そして、商品の周りを段ボールで囲い、蓋(キャップ)を取り付けます。梱包の最後は段ボールとパレットを結束するため、バンドを双方向から掛けていきます。最後はケースマークを4面に貼付けして完了です。ケースマークは仕出地や積替え地、仕向地で貨物を判別するために需要な役割を果たすため、必ず貼付けしなければいけません。

温度管理の必要な商品を発送する場合は、段ボール梱包の内側に3㎝ほどの発砲スチロールを6面に施し、保冷効果を高め保冷梱包をすることも可能です。梱包時にドライアイスを同梱し保冷効果を保つことができます。現地に到着するまでの日数から逆算して保冷効果の保てる量のドライアイスを入れますが、重量はそれだけ増えることも覚えておきましょう。

このように“段ボール”梱包といっても様々な仕様があり、内容物によってサイズを変えたり、強度を上げたりして商品にダメージが出ないようにする事ができます。また保冷梱包も使用することにより、様々な商品が海外へ送り出され、海外の人々のもとへ日本の素晴らしい商品が毎日届けられています。このような梱包は日本からの輸出だけでなく海外からの輸入商品にも適用できますので、可能ならば段ボールのばら積みよりはパレットに積載してもらった方がダメージが少ないようです。海外での貨物の扱いは非常に雑で乱暴です。放り投げたり蹴とばしたり上に乗っかるのは日常茶飯事なので、強度の弱い段ボールだと破損してしまう可能性が高いので注意しましょう。

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