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外為法とは 貿易との関連性とともに分かりやすく解説

今回は、外為法について解説していきます。

外為法は、外国為替および外国貿易法という法律の略称です。

外為法という略称からは、貿易との関連性はあまり無いようにも見えますが、同法第6章では外国貿易に関する規定があり、しっかりと関連性があります。

この法律では違反行為をした者に対する罰則も定められていますので、特に貿易業を行っている方は、必ず確認しておきましょう。

外為法とは

外為法とは、外国為替および外国貿易法という法律の略称です。

外国為替、外国貿易その他の対外取引に関しての定めがあります。

外為法の目的

外為法第一条では、その目的に関して定められています。

〜第一条〜
この法律は、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、
対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もつて国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

この条文の中には、「対外取引が自由に行われること」、「必要最小限の管理又は調整を行うこと」という記載があります。

第一条からは、日本が積極的に貿易を含めた対外取引を奨めるスタンスであるものの、必要最小限の管理又は調整があり、完全に自由な対外取引は行えないことがわかります。

外国貿易に関する条文

外国貿易に関して、外為法では第6章にその定めがあります。

今回は、貿易業を行う方にとって特に重要であると思われる条文5つをピックアップして解説します。

輸出の原則

第四十七条では、輸出の原則に関して定められています。

〜第四十七条〜
貨物の輸出は、この法律の目的に合致する限り、最少限度の制限の下に、許容されるものとする。

この条文の中に「最小限度の制限の下に」との記載があるように、
第一条(目的)と同様に、日本が積極的に貿易を含めた対外取引を奨めるスタンスであることがわかります。

ただし、「この法律(外為法)の目的に合致する限り」との記載がありますので、
目的に合致していない場合には輸出は許容されないケースがあることもわかります。

日本の平和に何らかの悪影響を及ぼす可能性がある貨物を輸出する場合、
外為法の目的に合致していないことを理由に、輸出が許可されないケースがあると考えられるでしょう。

輸出の承認

第四十八条3では、輸出の承認に関して定められています。

〜第四十八条3〜
経済産業大臣は、前二項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者又は特定の取引により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持のため、外国貿易及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するために必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。

この条文からは、輸出申告の前に経済産業大臣の承認を受けなければならない貨物があることがわかります。

その貨物については政令で定められており、承認を受けなければならない貨物であるかどうかは、輸出しようとする前に確認しておかなければなりません。

例えば、麻薬又は向精神薬の原材料はこの対象となっています。

対象となる貨物については、経済産業省のホームページで確認することができます。

輸入の承認

第五十二条では、輸入の承認に関して定められています。

〜第五十二条〜
外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。

この条文からは、輸入申告の前に経済産業大臣の承認を受けなければならない貨物があることがわかります。

その貨物については政令で定められており、承認を受けなければならない貨物であるかどうかは、輸入しようとする前に確認しておかなければなりません。

例えば、けん銃はこの対象となっています。

輸出の承認と同様、対象となる貨物については、経済産業省のホームページで確認することができます。

制裁

第五十三条では、制裁に関して定められています。

〜第五十三条2〜
経済産業大臣は、貨物の輸出又は輸入に関し、この法律、この法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した者(前項に規定する者を除く。)に対し、一年(第十条第一項に規定する対応措置(第四十八条第三項又は前条に係るものに限る。)に違反した者にあつては、三年)以内の期間を限り、輸出又は輸入を行うことを禁止することができる。

万が一外為法に違反してしまった場合には、経済産業大臣によって、輸出入を行うことが禁止される可能性があります。

貿易業を行っている方にとって、輸出入の禁止は事業にかなりの損害となるでしょう。

一般的な貿易取引であれば、外為法に違反するケースはほぼないかもしれませんが、経済産業省のホームページを確認するなどして、万が一にも外為法に違反することの無いように注意しましょう。

輸出貿易管理令

輸出貿易管理令とは、外為法の規定に基づいて、内閣が定めた政令です。

どの貨物が外為法及び輸出貿易管理令の対象となるのか、この政令の別表にて明確にされているように、外為法より具体的に内容が定められています。

なお、外為法(法律)は国会が定めたもの、輸出貿易管理令(政令)は内閣が定めたものです。

法律と政令には、誰が制定したのか、という違いがあります。

輸出貿易管理令(政令)よりも外為法(法律)の方が上位の命令と位置付けられます。

輸入貿易管理令

輸入貿易管理令とは、外為法の規定に基づいて内閣が定めた政令です。

どの貨物が外為法及び輸入貿易管理令の対象となるのか、この政令の別表にて明確にされているように、輸出貿易管理令と同様に、外為法より具体的に内容が定められています。

まとめ

今回は外為法と貿易との関連性についてご紹介しました。

貿易業を行っている方にとって特に重要と思われる幾つかの条文をピックアップしましたが、取り上げた他にも外国貿易や外国為替に関するものがあります。

貿易業を行っている方は、外為法、輸出貿易管理令、輸入貿易管理令について十分に把握しておきましょう。

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