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個人で国際輸送のコンテナを利用する際のポイントをご紹介

個人がコンテナを使った国際輸送をする際、法人が行う場合とは異なるポイントが存在します。

本記事では、個人でコンテナを使用した国際輸送を行う際の依頼方法、輸出書類と輸出貨物の手配の仕方のポイントを解説します。

コンテナと船の予約はフォワーダーに依頼する

個人でコンテナと船の予約をする場合は、フォワーダーに依頼するのが一般的です。

まずは、自分が輸出したい商品や国への輸送を得意としているフォワーダーを探しましょう。

そこで問い合わせや見積依頼を行い、良いフォワーダーが見つかれば依頼しましょう。

次に、個人でコンテナと本船の予約をフォワーダーにする際に伝えるべき内容について解説します。

予約依頼時にフォワーダーに伝えるべき内容

フォワーダーに依頼をする際には、必要な事項をわかりやすく伝えることが大切です。

依頼内容が分かりにくいと、そこから必要な情報をヒアリングしていかないといけません。

スムーズに進めるためにも、なるべく分かっている情報は細かく伝えるようにしましょう。

具体的には、以下のような情報まで記載できるとよいでしょう。

予約したい本船名

日本の積み地と、海外の揚げ地、本船の出航予定日(ETD)、現地港入港日(ETA)も合わせて伝えます。

各航路の本船スケジュールは、毎週月曜日に発行されるSHIPPING GAZETTE誌で事前に確認しておきましょう。

SHIPPING GAZETTE誌

物量と荷姿

フォワーダーは、下記の情報を基に、1つのコンテナ内に複数の荷主の貨物を混載するLCLか、1荷主でコンテナ1本を使用するFCLかを判断し、見積を出します。

  • 容積重量(単位はM3:メートル単位で荷物の縦x横x高さを計算したもの)
  • 重量(単位はkg)
  • 個数
  • 荷姿(バラのダンボール、パレット、木箱など)

パレット梱包や、木箱梱包をしている場合は、梱包後のM3(容積重量)と重量(kg)を伝えましょう。バラのダンボールであれば1箱何キロかを伝えます。

貨物の内容

輸出する商品が何かを伝えるのも大切です。

というのも、フォワーダーは輸出貨物が輸送時や、通関時に注意が必要なものかどうかを知る必要があるからです。

特に、化学薬品、重油が使用されている機械類、温度管理が必要な商品、長尺もの、フォークリフトで運べない重量物の場合は、必ず事前に伝えましょう。

フレイト(海上運賃)の支払い

輸入者との売買契約に基づいて、海上運賃の支払い方法を、輸出者が前払いする「プリペイド」か、輸入者が後払いする「コレクト」にするかを伝えます。

プリペイドになるか、コレクトになるかは、輸入者と合意したインコタームズ(危険範囲と費用範囲の負担分担)によって決まります。

インコタームズについては別記事で詳しく解説しているのでご参照ください。

国際輸送の建値 インコタームズについて

搬出先とカット日

FCLであれば搬入先のコンテナヤード名とCYカット日、LCLであればCFS倉庫名とCFSカット日を伝えます。

上記情報と輸出者名を基に、フォワーダーは船積書類を作成していきます。

必要な情報を簡潔にまとめられる雛形(ワード、エクセルなど)があるとスムーズな依頼ができるでしょう。

コンテナと本船予約後の流れの解説

ここでは、通関に必要な書類やバンニング作業時の注意点、輸出許可が下りた後の流れを解説します。

各工程での注意事項を確認して、スムーズな輸出手配を行いましょう。

通関に必要な書類

下記がフォワーダーに輸出通関を依頼する際に必要な書類になります。

インボイス

インボイスとは、輸出者名と輸入者名、それぞれの所在地と連絡先、及び、商品名、数量、出荷地、着地、商品の金額、決済条件を明記した仕入れ書のことです。

パッキングリスト

パッキングリストとは梱包明細書のことです。商品の梱包形態、梱包されている貨物の数量、梱包後のM3と総重量を記載しましょう。

また、必要性に応じて原産地証明書を提出する場合もあります。

 

貨物のバンニング(コンテナ詰め)の解説     

輸出通関書類の準備と並行して、貨物の出荷手配を進めましょう。

バンニングを行うタイミング、作業時の注意点を解説します。

バンニングはいつ行うべきか

本船に積まれるコンテナは、いったんコンテナヤードまで搬入され、その後輸出通関が行われます。

通常、コンテナヤードへのコンテナの搬入が可能になる「オープン日」は、本船出港の7~10日くらい前です。

一方で、コンテナの受付が締め切られる「カット日」は、本船出港日の前営業日になっています。

注意が必要なのは、カット日までに輸出通関が完了している必要があることです。

輸出貨物が個人名義のものである場合、税関は通常よりも厳しい審査を行なう場合があります。

輸出許可が下りるまでの時間を考慮し、バンニング作業はカット日の2〜3日前に行なった方がよいでしょう。

自社でバンニングをする場合の流れと注意点

FCLの場合に限り、税関への事前申請をしなくても自社倉庫でバンニングを行えます。

コンテナの輸送はフォワーダー手配、バンニングは輸出者の倉庫で行なう場合の流れと注意事項を解説します。

フォワーダーの手配したドレー業者が、輸出者の倉庫まで空のコンテナを輸送する

倉庫への空コンテナ配送後に、ドレー車が待機してくれる時間は通常2時間までです。

2時間でバンニングが終わらない場合は、ドレー車からコンテナを外してもらいましょう。バンニング完了後にフォワーダーにコンテナヤードへのドレーを依頼します。

バンニング作業時の注意点

下記の点に注意してバンニングを行いましょう。

まずはコンテナの状態を確認する

コンテナの上面、床面、側面に穴や汚れ、油の付着などがないかをまず確認します。

汚れや、輸送時に穴から海水が入る可能性があると、貨物のダメージにつながるからです。

コンテナの中に入ってドアを閉めた際に、穴から光が入ってくるか、閉めきったコンテナ内の温度と湿度がどれぐらいあるかもチェックします。

もし、ダメージや輸入者からのクレームにつながりかねない問題がコンテナに発見された場合は、写真を撮った上で、フォワーダーに相談しましょう。

問題があるコンテナだと認められた場合は、別のコンテナと交換することも可能です。

貨物の積み込み時にコンテナ内部で荷重が偏らないようにする

コンテナの一方に重い貨物、もう一方に軽い貨物を入れると、事故につながる危険性があります。クレーンで持ち上げた際にコンテナが水平にならず、荷崩れを起こす可能性があるからです。

バンニングをする際には、コンテナの荷重をできるだけ均等に分散し、一点に集中させないようにしましょう。

また、重量物は一番下にして積み込みます。

貨物を固定する

海上輸送中の船内はかなり揺れます。また、輸入地で貨物の取り出しを安全に行なえるようにしておく配慮も必要です。

貨物がコンテナ内で動いてダメージが発生してしまわないように、ベルト、ワイヤーロープなどで固定し、パレット間に緩衝材を挟むなどして荷崩れを防ぎましょう。

バンニング完了後のコンテナ内部の写真を撮っておく

輸出時に貨物がどのように積み込まれていたかを証明する写真を撮影しておきます。

写真があることで、税関検査の確率が下がる場合があることと、ダメージが発生した場合の輸入者との話し合いに使える証拠となるからです。

バンニングが完了したら、コンテナをシールして、コンテナヤードに搬入

シールとは、コンテナのドアロックに使用される金属の棒で、コンテナのドアの下についています。

シールでドアをロックすると、専用のカッターで切断しない限り再び開けることができないので注意しましょう。

コンテナをシール後に、フォワーダーにコンテナヤードまでのコンテナ輸送を依頼します。

フォワーダーでコンテナ積めする場合の流れ

梱包済み貨物をフォワーダーが集荷、または、自社で手配したトラックで搬入先倉庫まで持ち、フォワーダーでバンニングを行います。

貨物の受け渡し日、荷姿、数量、容積重量の連絡を行き違いなく行うことが重要です。

また、自社でバンニングをした場合とどちらが安いかは事前に比較しておきましょう。

輸出申告から輸入者へのシッピングアドバイス送付までの流れ

税関から輸出許可が下りたら、船荷証券(B/L)、貿易書類(インボイス、パッキングリスト)などを輸入者に送付して、輸出手配は完了です。

B/Lの原本が必要な場合は、クーリエで輸入者に発送しましょう。

まとめ

個人でコンテナを使用した国際輸送を行う際には、フォワーダーとの信頼関係を築くことが必要です。

スムーズな輸送手配が行える顧客だとフォワーダーに認識させることで、継続的な取引を行うことができます。

自社のコストを抑えつつ、上手にフォワーダーを使うためにも、自身で国際輸送の知識を持つことが重要です。

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