「食品等輸入届出書」は、食の安全と国民の健康を守る目的で提出される書類です。
鳥インフルエンザやO157といった、人間にとって有害とされているウィルスや物質から国民を守るために設けられています。
本記事では、「食品等輸入届出書」が日本でどのように機能しているのか、特徴や注意点をご紹介します。
目次
食品等輸入届出書とは?
「食品等輸入届出書」とは、販売や営業目的で使用する食品等を輸入する場合に厚生労働省検疫所に提出しなければならない書類です。
具体的な提出の対象品目としては、食品や食品添加物、器具、容器包装、乳幼児用おもちゃがあります。
これらの対象品目は、食品衛生法第27条規則第31条において規定されています。
食品等輸入届出書を提出する目的は、添加物の使用基準が適切であるかどうか、有毒有害物質が含まれていないか等、日本に輸入する上で食品等の安全が担保されているかを確認することです。
食品等輸入届出書の特徴
日本国民の食の安全を守るために活躍する食品等輸入届出書。特徴を4つご紹介します。
特徴①販売目的で使用するものが対象
「食品等輸入届出書」を検疫所に提出しなければならない貨物は、販売目的で輸入される食品等が対象です。
オンライン販売も対象になります。
おみやげなど私的利用の食品等はこの手続きは必要ありません。
特徴②対象品目は食べ物だけじゃない
食品だけでなく、口に触れるものや直接食品に触れているもの(容器や包装)は、食品等輸入届出書の提出が必要となります。
食品以外で対象品目を挙げると、乳幼児用のおもちゃがあります。
乳幼児用おもちゃは、乳幼児が口に触れても身体に問題がないことを証明する必要があるのです。
具体的に”乳幼児”の年齢規定はないものの、一般的に6未満の小児が使うおもちゃを対象にしています。
特徴③検疫所へ提出する
貨物を輸入する場所を管轄する検疫所に提出しましょう。
提出方法は2つあり、紙面で提出する方法と、オンラインで提出する方法があります。
提出された食品等輸入届出書をもとに、検疫所が審査を行います。
この審査で検査の必要がないとされた場合には、すぐに貨物を輸入することができます。
特徴④オンライン申請も可能
食品等輸入届出の申請は、紙面だけでなくオンラインでも手続きが可能です。
NACCSが運営している、「FAINS」を使用して申請します。
食品等輸入届出の申請は貨物到着予定日の7日前から提出ができるため、到着日程に合わせて申請しておくと、輸入がスムーズに行えます。
食品等輸入届出書の記載内容
食品等輸入届出書の記載内容は以下の通りです。
1番最初にある「届出受付番号」欄は、検疫所で使用するため記入しないように気をつけましょう。
- 輸入者コード
- 輸入者の氏名と住所
- 生産国、コード
- 製造者名、コード
- 積込港名、コード
- 積卸港名、コード
- 積込、積卸、搬入、届出の年月日
- 貨物が保管されている倉庫名、コード
- 貨物の外装に表示のあるコード
- 貨物を搭載した船もしくは航空機名
- 貨物のカテゴリー
- 輸入実績の選択(初回、継続、更新)
- 品目コード
- 品名
- 具体的な用途、コード
- 食品等に直接触れる包装の材質、コード
- 原材料名、コード
- 材質名、コード
- 添加物名、コード
- 加工食品の製造方法、加工方法
- 品番
食品等輸入届出書には、名称と合わせてコードを記入するのが一般的です。
NACCS掲示板の業務コード集を参考にすることで、生産国コードや品目コードを確認することができます。
申請書類に押印や署名を求める欄がありますが、現在は不要です。
食品等輸入届出書の審査基準
食品等輸入届出書の審査基準は、食品衛生法に基づいて輸入商品が安全上問題ないかを検疫所が判断します。
食品等輸入届出書に記載の情報を用いて、輸入国や品目、原材料や添加物の有無などが基準値内か確認します。
具体的な審査基準は、以下の5項目です。
①食品衛生法に規定されている製造基準に適合しているか
②添加物の使用基準は適切か
③有毒・有害物質が含まれていないか
④過去に食品衛生上の問題があった製造者・所ではないか
⑤必要書類が揃っているか
以上の審査を経て現物検査の必要がないと判断された貨物については、問題なく輸入できます。
この審査で違反の可能性がある場合には、検査の実施が指導されます。
検査の結果、食品衛生上問題があると判断された場合、積戻しや廃棄、食品以外への転用という措置が取られます。
違反となった商品の措置状況について、輸入者は検疫所にすぐ報告しなければなりません。
原因の究明と再発防止策の報告も輸入者の義務です。
食品等輸入届出書の注意点
続いて、食品等輸入届出書の注意点を4つご紹介します。
注意点①対象貨物の容器も対象
営業目的で輸入される食品等の貨物を輸入する場合は、当該貨物の安全性だけでなく、その貨物の容器の安全性の確認も必要です。
食品等輸入届出書には、食品等に実際に触れている包装の種類や材質に関しての記入欄もあるため、輸入者は把握している必要性があります。
注意点②書類がすべて揃っているか
食品等輸入届出書は、2部提出する必要があるので注意しましょう。
添付する資料は、輸入する貨物の種類によって異なります。
牛や鶏の肉や臓器などを原料とする食肉製品の場合は「輸出国政府機関の衛生証明書」、豆類などのシアン化合物含有雑豆の場合は「誓約書」など、商品によって食品等輸入届出書と一緒に提出必須である資料が変わります。
必要書類がすべて揃っているか、最終チェックを忘れずに行いましょう。
また郵送での申請の場合には、返送用はがきと切手を同封する必要があります。
注意点③法人個人関係なく提出必須
不特定多数への販売目的であれば、法人個人関係なく「食品等輸入届出書」の提出が必須になります。
注意点④申請手続きが難しい
食品等輸入届出書の申請手続きには、対象商品の添加物や製造方法だけでなく、食品に触れている包装の種類や材質についても申請する必要があります。
製造基準や添加物の使用基準など専門的知識が必須で手続きのハードルが高いため、初めての申請の場合には注意しましょう。
手続きを通関業者などに委託することも可能です。
輸入手続きの簡素化に向けて
検疫所は、食品等輸入届出手続きの迅速化・簡素化に向けて6つの制度を設けています。
- 事前届出制度
- 計画輸入制度
- 外国公的検査機関の検査結果の受け入れ
- 同一食品等の継続的輸入
- 輸入食品等事前確認制度
- 品目登録制度
本記事では割愛しますが、食品輸入届出を簡素化したい方は是非調べてみてください。
さいごに 国民の安全を守る「食品等輸入届出書」
本記事では、「食品等輸入届出書」の特徴や記載内容、注意点をお伝えしました。
この食品等輸入届出書の特徴をおさらいすると、以下の4点があります。
①販売目的で使用するものが対象
②対象品目は食べ物だけじゃない
③検疫所へ提出する
④オンライン申請も可能
日本で流通している食品は、「食品等輸入届出書」の審査を経ていることがわかります。
輸入時に細かい審査基準が設けられているので、私たちも安心して購入できるようになります。
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