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国際輸送の種類 航空輸送と海上輸送の特徴や違いについて

日本より海外へ、海外から日本へ貨物を輸出入するにあたり色々な貿易輸送手段があります。

今回はここでそれらの説明をさせて頂きたいと思います。

航空輸送と海上輸送

輸送手段としては大きく分けて航空輸送・海上輸送の2通りに分けられます。

航空輸送については読んでの通り、航空機で貨物を輸送する方法で、海上輸送についてはコンテナ船を利用し貨物を輸送する方法になります。

余談になりますが、皆様も良く市街地でコンテナを牽引しているトレーラーを良く目にするかと思いますが、これはコンテナが貨物船から卸され輸入した貨物が持ち主の元へ輸送される途中か、或は持ち主から貨物をコンテナへ積み込まれ貨物船に乗せ海外へ輸出される貨物のどちらかになります。例外としてコンテナ内に貨物が全く積み込まれていない場合もございます、これらは輸入した貨物が既に持ち主へ届けられ港へ戻る途中か、これから貨物の持ち主の倉庫・工場へ出向き貨物を積み込みをし輸出するコンテナになります。

それでは貨物の持ち主・買い主は輸出入する貨物をどのような輸送手段で輸出入するか判断しなければなりません。

主な判断材料としましてまず以下について考えなければなりません。

輸送コスト

航空貨物輸送と海上貨物輸送を比較した場合、輸送料金については航空機を利用した方がお届け迄の時間が短く済むため運賃は割高になります。航空貨物の場合は1キロあたり何円と運賃が設定されており遠方へ運ぶほど運賃は高くなって参ります、

海上貨物の場合は1キロあたりではなく、1立方メートル(以下1m3)あたり幾らと設定されております。

具体的に説明します。

例えば貨物の詳細が1ケースで総重量は1000㌔、貨物の大きさが1m3(縦幅高がそれぞれ1m四方)とした場合、運賃計算は下記の通りとなります。

航空機の運んだ場合の運賃を1キロあたり仮に300円で設定

1000 kgs x 300円/キロ = 300,000円

貨物船で運んだ場合の運賃を1m3あたり仮に10,000円で設定

1 m3 x 10,000円/m3 = 10,000円

上記の通り、航空機と貨物船で運んだ場合の輸送費用の差額は290,000円となります。

あなたは勿論貨物船での輸送を選択しますね。

納期

但し、貨物船で運んだ方が勿論安いのですが、ここで納期の問題等も発生して参ります。

海外の商品の発注者から納期をいついつまでと注文時に設定されている場合、貨物船で運んでいては到底納期に間に合わない、その際は活かし方なくコストは高くとも航空機で輸送をしなければならなくなってきます。

<補足>

例えば東京港からLOS ANGELES港まで貨物船で海上輸送した場合、到着まで約14日(2週間)かかります。

成田空港からLOS ANGELES空港まで航空機で航空輸送した場合、到着まで約8時間。

このように、もし海外の発注者から注文を頂いた段階で海上輸送での輸出を考えていたならば、先方の最終納期を踏まえた上で、商品の生産・製造の予定を組み込み出荷時期を考慮していかなければなりません、先方の希望の納期に間に合わなければ、航空輸送で手配しなければならず、余計な輸送コストが掛かってしまう事になります。

複合輸送(海上輸送+航空輸送)

更に航空輸送・海上輸送を利用した輸送方法以外には、今ではあまり馴染みはないかと思いますが、海上輸送・航空輸送両方を利用する輸送手段もございます、

例えば日本から欧州、南米へ輸出する場合、航空機で輸送するには輸送コストが高い、貨物船で輸送していては納期が間に合わない、その様なケースで利用する中間的な輸送手段がSEA&AIR Serviceという事となります。

SEA & AIR Serviceのメリットとしては航空機単体で輸送するよりも輸送コストが抑えられ、且つ輸送日数が海上輸送単体で利用するよりも輸送日数が短縮できる等。

SEA&AIR Serviceの大まかなサービス内容ですが、日本から欧州の主要都市向け、南米の主要都市向け等がございます、まず日本の主要の港(東京港・横浜港・名古屋港・大阪港・神戸港・博多港)より貨物船でアメリカ西海岸の主要港(LOS ANGELES港・LONGBEACH港)まで運び、西海岸からは航空機を利用し欧州・南米の主要都市へ空輸するというサービスになります。

コスト面のメリットについては、通常の航空輸送を利用する運賃よりも欧州・南米向けで1キロあたり200円から300円安く抑えられるというメリットがございます。

ただ、過去にはこのサービスを利用する荷主様が多くおられましたが、今に至っては過去に比べ航空会社からより安く運賃が購入できる様になった為、メリットがあまり感じられず利用者も減少しているのが現状ですが、納期に少し余裕が有り、少しでも輸送コストを抑えたいという荷主様へはお勧めのサービスかもしれません。

小口の貨物輸送

また小口貨物の場合であれば、国際スピード郵便(EMS = Express Mail Service)とクーリエサービス(国際宅急便)での出荷方法もございます。

EMSとは国際郵便の一種で、書類、物品の郵便急送業務であり、現在は世界125ヶ国へサービスを提供しおります。

EMSを一言で言うならば、国際の速達書留のようなものである。補償があり、速達と同等以上の速さで輸送される。引受から配達までの情報をバーコードラベルで記録・管理しており、多くの国でパソコンや郵便局の端末による郵便物の追跡も可能となっている。輸送中は最優先で取り扱われるため、世界の多くの地域へ3日~10日後に届けることが可能となっております。

但し、EMSに関しては重量・サイズの規定が有り、1カートンあたりの実重量・サイズの制限が下記の通り設定されております。

  • 実重量 30㌔以内
  • 長さ  150cm以内
  • 長さ・横周 300cm以内

料金についても0.5㌔単位で500g~30㌔まで設定されております。

勿論発送先の地域によって料金は変わって参ります。

最後にご紹介するのがクーリエサービス(国際宅急便)ですが、

こちらもEMS同様、基本取り扱いは小口貨物になります。

クーリエサービスとは、航空便を用いて海外に書類や小口荷物を届ける民間物流会社が提供する輸送サービスです。 契約書類、入札書類などの小口貨物をドア・ツー・ドアで、国際宅配のような感覚で送る・受け取ることができるサービスとなります。

民間物流会社として代表なところでDHL(ドイツ), FedEx(USA)、UPS(USA)等がございます。

特徴としては、貨物の実重量の制限はなく、EMSが取り扱い出来ない地域へも手配可能で、現在は約世界220ヶ国に輸送を行っております。

EMSとクーリエサービスの違いですが、EMSは郵便局や郵政公社などの公的配送会社が取り扱っている配送サービスで「万国郵便連合」に加盟している公的機関が対象となっています。一方で、クーリエは民間企業が扱っている配送サービスであり、主な違いは「公的機関か民間企業か」にあるといえるでしょう。

例えば、アジア地域への配送スピードで比較すると、EMSの場合は配送状況や配送先の地域にもよりますが、荷物の到着まで約3~6日程度かかるケースが多く、海外発送と考えれば十分に速いと考える方も多いかもしれませんが、できれば2、3日中に荷物を届けたい場合もあるでしょう。

クーリエはアジア地域なら1~3日程度で発送先に荷物を届けられるので、配送を急ぐ時によく選ばれます。EMSはクーリエより時間がかかる分だけ料金は割安ですが、急ぎの配送には向かないことが多くございます。

以上の通り、国際貨物の輸送手段を幾つか上げて説明をしてきましたが、皆様も是非輸出入する際には上記参考にして頂ければと思います。

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