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海上コンテナにおけるシールとは 特徴や使い方を分かりやすく解説

海上コンテナの輸送は、常に盗難の危険があります。
盗難からコンテナを守るためには、しっかりとした施錠を行うことが大事です。

この記事では、海上コンテナにおけるシールについてくわしく解説しています。
海上コンテナによる輸送にたずさわる方は、ぜひご覧ください。

海上コンテナで使うシールの役割

海上コンテナの輸送には、必ずシールを使用します。
このシールには、どのような役割があるのでしょうか?

● コンテナの施錠
● 盗難防止
● 未開封かどうかがわかる

海上コンテナ輸送におけるシールには、3つの役割があります。
くわしく見ていきましょう。

コンテナの施錠

コンテナには、通常鍵が付いていません。
よってコンテナを施錠する必要がありますが、シールはカギの役割をはたします。

シールをコンテナに取り付けることにより、コンテナは施錠されたことになります。
なおシールにはカギが付いていないため、一度取り付けると物理的に破壊しないと、ロックを解除することができません。

コンテナの施錠には、シールが必要になることを覚えておきましょう。

盗難防止

コンテナの運搬中は、常に盗難の恐れがあります。
日本では考えにくいことですが、海外では船上でも盗難が発生することもあり、厳重な管理が必要です。

シールにはカギが付いていないため、鍵穴のピッキングなどによる解錠は不可能です。
また、シールは非常に頑丈にできています。
専用の工具を使っても相当な力が必要なため、通常はまず破壊できません。

コンテナにシールを取り付けることで、盗難を未然に防ぐことができます。

未開封かどうかがわかる

シールをコンテナに取り付けると、破壊しないかぎり取り外すことはできません。
よってシールが破壊されているコンテナは、開封されているということがわかります。

通常のカギであれば、解錠してコンテナの中身を盗んだ後に再び施錠する、ということも可能です。
ですがシールによってロックされたコンテナは、通常輸入者以外が開封することはありません。

搬入先に到着した時点でシールがついていると、誰にも開封されずに届いた証になります。

輸入者以外のシールの開封

輸出先でコンテナをシールで施錠すると、基本的には輸入者が受け取って開封するまで、シールを破壊することはありません。
ですが、一つだけ例外のケースがあります。

それは「税関検査」の時です。

税関検査とは、コンテナに危険なものや禁止されているものが入っていないかをチェックすることです。
税関検査では検査対象は決められていません。

輸出の申告時に、検査かどうか税関から指示が来ます。

税関検査で書類検査以上の対象になると、まずはコンテナのX線検査を行います。
特に問題がないようであれば、そのまま搬出可能です。
ですがさらに検査が必要な場合は、コンテナの扉を開けての検査になります。

この時にシールを破壊して、コンテナを開封します。
コンテナの輸入者以外が、シールを破壊する唯一のケースです。

税関検査の終了後は、新しいシールを取り付けて搬出可能になります。

シールの取り付け場所

シールをコンテナに取り付ける場所は、決まっています。

コンテナの扉は「マリンドア」と呼ばれるものです。
コンテナは船で揺られたり、クレーンで吊り上げられたりします。
よって扉は中の荷物が飛び出してしまわないように、しっかりとした作りであることが必要です。
マリンドアは厚くて重い作りになっています。

マリンドアは両開きのドアで、4本のハンドルによって開閉します。
右側の扉から開けるため、右側の扉にシールを取り付けることが必要です。
1つの扉に2本のハンドルがついていますが、右側の扉は左のハンドルを先に操作します。
よってシールは、右側の扉の左のハンドルに取り付けるのが正解です。

なお、ハンドルにはシールの取り付け可能な場所が2箇所ありますが、どちらでも問題ありません。

シールの種類

コンテナ輸送に使用するシールには、さまざまな種類があります。
ここでは代表的なシールを紹介します。

● ボルトシール
● ワイヤーシール
● 板シール

それぞれのシールの特徴を見ていきましょう。

ボルトシール

最も使われているシールです。
コンテナで使用するシールと言えば、ボルトシールを思い浮かべる方も多いでしょう。

ボルトシールは、鉄で作られたボルトをプラスチックでカバーしてあるものです。
オス、メスと呼ばれる2つを合体させて、コンテナをロックします。

見た目もロックしている感じが伝わって、盗難防止に役立ちます。

ワイヤーシール

ボルトを使わずに、ワイヤーでロックするのがワイヤーシールです。

見た目はハサミでも切れそうな感じがしますが、頑丈なワイヤーですのでなかなか切れません。
ボルトシールと同じく、しっかりとコンテナをロックしてくれます。

板シール

シールには、板シールと呼ばれるものもあります。

板シールは金属製で、長方形のバンドをロックして使用します。
ボルトシールやワイヤーシールと比べると、耐久性にやや難があるため、あまり使用されていません。

力の強い人が引っ張ると切れてしまうこともあるため、使用には注意が必要です。

シールの開封方法

シールを開封するときは、ボルトクリッパー・シールカッターなどと呼ばれている、専用の工具を使用することになります。

シールはコンテナを盗難から守るための、重要なパーツです。
よって、ちょっとやそっとでは破壊することができないほどの、頑丈さが必要になります。

その頑丈なシールを開封するには、やはり重厚な工具が必要です。
ボルトクリッパー・シールカッターは、ワイヤーや鉄筋を切断することができる工具です。

シールを切断する際は、ボルトクリッパー・シールカッターを使用しましょう。

シールの入手場所

 

通常コンテナを使用して貨物を輸出する際は、CYまたはバンプールに空のコンテナを取りに行きます。
空のコンテナを搬出するのと同時に、シールも渡されます。
シールには固有のシリアルナンバーが入っており、その番号はEIRにも記載されます。

バンニングが終わって搬出する際は、CYにてシール番号の照合が行われるので、番号が違うシールでは搬出を行うことができません。

EIRに記載のシールナンバーと同じシールを使うことで、コンテナの搬出が可能になります。

シールについてよくある質問

輸送時は、海上コンテナには必ずシールを使用します。
貿易を行う方にとっては身近なシールですが、疑問点も多いと思います。

ここではシールについて、多くの方が感じている疑問をまとめました。

 

シールを取り付ける場所を間違えたら?

シールは、開閉するドアの右側の扉に取り付けます。
また、2本ついている開閉用のハンドルのうち、左側のハンドルに取り付けます。
コンテナを開封する際は、右側の扉の左のハンドルを最初に操作するためです。

では、間違えて違う場所にシールをとりつけてしまったら、どうなるのでしょうか?
左側の扉につけてしまった場合は、破壊して取り外し、CYで新しいシールをもらい付け替えましょう。
その際、搬入票のシールナンバーも書き換える必要があります。

 

シールを失くしてしまったらどうする?

あやまってシールを失くしてしまった場合は、どうすればよいのでしょうか?

シールにはシールナンバーが登録されていて、輸出から輸入まで常にチェックされています。
したがって、最初に登録したシールをずっと取り付けている必要があります。

シールを失くしてしまったら、登録しているシールナンバーも変わることになるので、契約している船会社に連絡しましょう。

新しいシールを発行してもらえます。

シール番号が違っていたら?

輸入時に、登録されているシールナンバーと違うシールが付いているケースがあります。
これは、輸送時にシールを破壊され付け替えられた可能性があります。

そもそもシールナンバーが違っていると、貨物を受け取ることができません。
船会社の対応を待ちましょう。

まとめ

海上コンテナの輸送には、必ず使用するシールですが、シールはコンテナを輸送中の盗難から守る、とても大切なものです。

装着間違いや、紛失のないよう管理し、シールの種類や使い方を正しく理解しましょう。

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