国際貿易を進めていく上で、新しい取引相手に対して不安はつきものです。代金を払ってもらえるか、国を超えての取引であるため商習慣や文化の違いからトラブルもあります。不安を解決してくれるのが信用状L/Cです。
万が一貨物の代金の支払いを受けられない場合、輸入者に代わって保証してくれます。
保証してくれるのは銀行で、信用状は銀行が発行します。
輸入者が銀行に信用状発行依頼し、銀行での確認が済んでから輸出手配を進めるため、代金未払いによるリスクを防げるのです。
保証する信用状を発行する銀行は輸入者と輸出者それぞれをサポートします。輸出者側の銀行はサポート特徴から通知銀行ともいわれ、輸入者側の銀行は信用状発行銀行ともいわれるのです。
支払いについて心配することなく、貿易の業務に専念することが出来るのがL/Cを利用する目的でしょう。
この記事では輸出・輸入者をそれぞれ保証してくれる信用状について解説します。
目次
信用状L/Cとは?
信用状(Letter of Credit、略してL/C)は、国際取引の安全性を確保するための決済手段です。
L/Cを利用することで、初めて取引する相手とも安心して契約を進めることができます。L/Cの最大の特徴は、銀行が介在することで、輸出者・輸入者の支払いが保証されることです。
そうすることで、両者が直接やり取りをする必要はなく、代金の未払いリスクを回避できます。
信用状L/Cの基本的なルール
国際取引では、国ごとに言語や文化、商習慣が異なります。この違いを克服し、円滑な取引を実現するために、信用状には一定のルールが設けられています。特に、L/Cの運用には以下の3つの原則があり、これらを理解することで仕組みがより明確になります。
信用状3つの原則
- 独立性の原則(Principle of Autonomy)
L/Cは売買契約とは独立しており、取引上のトラブルがあってもL/Cの支払い義務は影響を受けません。
銀行は「L/Cに記載された条件を満たした場合に支払いを行う」ため、契約の履行状況には関与しません。 - 書類取引の原則(Doctrine of Strict Compliance)
L/Cの支払いは、実際の商品の受け渡しではなく、提出された書類の内容に基づいて判断されます。
そのため、書類の記載ミスや不備があると、支払いが拒否される可能性があります。 - 厳格一致の原則(Strict Compliance Rule)
提出する書類は、L/Cの条件と完全に一致していなければなりません。例えば、会社名や品名がわずかに異なるだけでも、銀行は支払いを拒否することがあります。そのため、書類の作成には細心の注意が必要です。
国ごとに異なる解釈
L/Cの基本ルールは世界共通ですが、国ごとに解釈が異なる場合があります。
こうした違いによってクレームが発生することもありますが、適切に調整しながら取引を進めることでトラブルを回避できます。
また、こうした解釈の違いによるトラブルを減らすため、信用状の規則は定期的に調査・更新されています。
L/Cの役割
信用状(L/C)は、国際取引における代金の支払い保証と商品の確実な受け取りを目的とした仕組みです。
L/Cが発行されることで、輸出者と輸入者の双方が安心して取引を進めることができます。
L/Cの具体的な役割
- 輸出者にとっての役割
L/Cを利用することで、銀行に指定の書類を提出することと引き換えに商品代金を受け取ることができます。 - 輸入者にとっての役割
輸入者は指定した商品・数量・品質の条件を満たした商品を受け取ることができます。
通関手続きの差し止めリスクも軽減されます。
L/Cのリスクと注意点
L/Cは便利な仕組みですが、利用に際していくつかの注意点もございます。
輸出者のリスク
- L/Cの条件を満たしていないと、支払いを受けられない
- 書類の不備による支払い拒否の可能性がある
輸入者のリスク
- L/Cの条件に沿った書類が提出されていれば、実際の商品の品質に問題があっても支払いを拒否できない
- 銀行手数料などのコストが発生する
特に、L/Cは書類取引が原則のため、提出する書類の記載ミスがあれば支払いが拒否されることがあります。
そのため、書類の内容を厳密にチェックすることが重要です。
損をしないために
国際取引には、代金未払いや商品未着といったリスクが常に付きまといます。
これらのリスクを回避するために、L/Cを適切に利用することが重要です。L/Cを最大限に活用するためのポイントは以下の通りです。
- L/Cの条件を事前に確認し、曖昧な表現を避ける
- 必要な書類を正確に準備し、提出ミスを防ぐ
- 銀行の審査基準を理解し、不備のない申請を心がける
銀行は輸入者に代わって輸出者へ代金を確定し、支払いと商品の受取を確実にする役割を担っています。
L/C入手方法
実際にL/C入手方法、流れを紹介します。輸出者と輸入者それぞれ保証してくれる銀行がサポートします。
輸出者と輸入者の取引は直接ではなく、サポートする銀行同士のやり取りになります。
信用状を発行する輸出・輸入それぞれの銀行発行する信用状内容も確認していきましょう。
入手の流れ
銀行から発行される信用状L/Cの入手は、輸出者が商品を手配する前に行われます。
- 商品を輸出者が手配する前に銀行が輸出者に信用状L/Cを発行してもらう
- 銀行が輸出者から手形を買い取る
- 輸入者が支払いを済ませる
- 銀行が輸入者に書類が引き渡す
一連の流れが済んで初めて輸出品は手配され輸送準備を整えます。
発行元は銀行
信用状L/Cの発行は銀行です。
銀行が発行する信用状L/Cには輸出者と輸入者双方にとってメリットがあります。
輸入者は取引相手国に関連のある銀行へ信用状L/C発行依頼をします。依頼を受けた銀行は輸入者の支払い能力や信頼性を調査し、支払い能力に合わせた限度額を設定します。
設定された限度額内での信用状L/Cを発行するため、確実に支払いが進みます。輸入者の支払いが済んだことを輸出者へ通知されます。輸出者は通知を受けた後、輸出するために商品の手配を始めるため、リスクを回避することができます。
信用状L/C取引の流れ
輸出者と輸入者は信用状L/Cを利用した取引である売買契約を結ぶびます。
輸入者は取引国を対象としている銀行に信用状L/C発行を依頼し、依頼を受けた銀行は輸入者の支払信用を調査します。
信用調査が完了すれば、発行限度額内で信用状L/Cを発行する流れになります。
輸出者は銀行からL/Cを受け取り、期限内に日本から出荷しなければいけません。最近は船のスケジュールが混乱しており、一週間から二週間の出港遅れがあるため、商品が準備できたら、なるべく早く出荷するほうが安全でよしょう。
チェックポイント
リスクに関わる重要なチェックポイントを見落とさないために、信用状L/Cに記載された内容をチェックする必要があります。
チェックを見落とすとトラブルの原因になります。チェックすべき重要なポイントを解説します。
L/C記載内容
チェックポイントの解説をする前に、いったい信用状L/Cにはどんな記載内容・項目があるのか、主な内容を確認しましょう。
- 発行に関わる銀行・日付
- 信用状の番号
- 信用状の金額
- 船積期限
- L/C有効期限
- 荷為替手形買取のための書類提示期限
- 商品の明細
- 船積港と荷降港
以上のことがL/Cに記載されていますので、すべてをチェックするようにしましょう。
またこれに関する船積書類にも、L/Cと同様の文言や記載事項が載っているか確認しなければいけません。
記載不備があったら、銀行から支払いを受けられませんので注意しましょう。
チェックする際のポイント
輸出者は信用状L/Cに則り輸出商品の手配を進めなければなりません。記載内容・項目のうち、チェックすべき重要なポイントを紹介します。
- L/C有効期限
- 船積期限
- 荷為替手形買取のための書類提示期限
これらの期限は決して見落とせないチェックポイントです。
船のスケジュールは、通常でも1日~2日遅れが出ることがあり、現在は一週間から二週間遅れることもあります。出港がおくれるとBLの発行も遅れるため、書類の提示期限を超える危険がありますので、商品が整ったらなるべく早く出荷するようにしたほうが安全です。
まとめ 国際貿易に欠かせない信用状L/C
国際輸送取引は、言語や文化、商習慣の違いからトラブルがつきものです。トラブル回避してくれ、支払いを保証をしてくれるのが信用状L/Cです。
信用状L/Cについて解説しました。貿易業務の基礎である信用状L/Cは輸出・輸入を支えています。
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