国際輸送支えている海上輸送ですが、その多くはコンテナ船です。
新型コロナウイルスが蔓延して以来、コンテナ不足という言葉をニュースで耳にすることもあります。
では、なぜコンテナ不足という問題が起こってしまうのでしょうか
そこで今回は、海上輸送中に貨物を守るコンテナについて詳しく解説していきます。
コンテナ不足の原因や対策、またFCL貨物とLCL貨物の違いも含めて解説していきます。
目次
コンテナ船の基本
世界中で、毎日のように食品や工業品、化学品、日用品など多くの貨物がコンテナ船で運ばれています。
運ぶ貨物品に合わせて、最適なコンテナを選んで運ばれています。
コンテナ船は限られたスペースを共有して貨物を輸送します。貨物を特定のボックスに入れて運んでいます。
貨物を入れるボックスのことを「コンテナ」といいます。
コンテナに貨物を入れて専用の船に積み、コンテナ船は世界各地の港を回っています。
目的の港に到着すれば船から下ろされ国内へ向けた輸送へとコンテナ内の貨物は移行されます。
ちなみに、船に積載するコンテナは世界共通のものです。
積載可能重量は、20’コンテナが21,780kgs、40’コンテナが26,740kgs、40’HCコンテナが26,560kgsまでになります。
海上輸送の特徴でもある天候による輸送期間の延長もあり、十分な契約期間の設定が必要となります。
種類
海上輸送をする際に重要なポイントは、貨物品にあわせて最適なコンテナを選ぶことです。
コンテナには以下のように様々な種類のものがあります。
- ドライコンテナ
- リーファーコンテナ
- オープントップコンテナ
- フラットラックコンテナ
- ISOタンクコンテナ
この中から輸送する貨物品に合うコンテナを選びます。
コンテナは日々使い続けられており、損傷している場合もあるため、質の高いコンテナ選びが重要です。
たとえば、ドライコンテナを選んだにも関わらず、コンテナが損傷していたために貨物が湿気ってしまったというケースもあります。
損傷のないコンテナ、質の高いコンテナを選ぶことが重要です。
大きさ
コンテナの大きさは主に2種類あります。
- 20フィート、容積は31.1㎥
- 40フィート、容積は67.5㎥(HCは76.2㎥)
大きなコンテナを利用した貨物輸送であるコンテナ船は国際輸送を支える代表的な輸送手段です。
40フィートは容積が大きい物を運ぶのに向いています。
特徴
コンテナを輸送する環境は海上です。
コンテナは天候の影響、雨水や湿気などからも貨物を守ってくれます。
コンテナを保有しているのは船会社で、そこからコンテナを借ります。
このとき、何度も使用してきたコンテナの損傷を確認することが重要になってきます。
長ければ半年以上海の上を回遊し、船から降ろされると専用のトラックで倉庫まで運ばれます。
海上でさらされ、陸上でもさらされたコンテナは大切に使い続けていく必要があります。
サイズ・重量
実重量と容積重量を比較して費用は決まります。
大きい物・軽い物、重い物・小さい物の料金設定をフェアにする必要があるからです。
例えば、水は重いけどかさばりませんが、綿は軽いけどかさばります。
このようなケースもあるため、大きさと重さを換算する必要があるのです。
1㎥=1トン基本的なルールです。これを基本に換算します。
- 軽くてかさばるもの
- 重いけど小さなもの
この2点を平等な料金設定において重要です。容積と重量を換算します。
損益分岐点
コンテナ輸送をお得にするために、FCLとLCLどちらの輸送方法を選ぶか、それぞれの損益を測り検討します。
ただ、実際は貨物のサイズと輸送を手配するフォワーダーの見積もりによるところが多いのが特徴です。
そのため一概にどちらがお得であると断定はできません。
最適なコンテナ輸送のために、重要なのが損益分岐点です。
FCL
FCLの正式名称はFull Container Loadsです、
LCLは1つのコンテナを他の貨物とシェアしますが、FCLは1本のコンテナを借ります。
コンテナの種類は2種類20フィートと40フィートです。
LCL
LCLの正式名称はLess than Container Loadsです。
日本語に訳すと、海上輸送の混載便です。
輸送したい貨物がコンテナ1本にも満たないときはコンテナの一部を借りて輸送します。
LCLはコンテナ一本に満たない、少量の貨物を輸送するのに適しています。
どちらを選ぶかに大きく関わるのが料金です。
お得に輸送できるのか損益分岐点を考慮し決定しますが、船会社や混載業者によって値段はまちまちです。
このあたりは、貿易のプロであるフォワーダーに一度相談することをオススメします。
FCLとLCLの違い
主な違いは費用の計算方法です。LCLは荷物1つ当たりのサイズか重量で換算し、数の大きい方をとります。
FCLはコンテナ1本あたりで料金を換算します。2つの費用を比較するのに注目すべきポイントは
- Ocean Freight(海上運賃)
- CY, CFS(積み地・揚げ地の費用)
- Transporation(積み替え地はどこか)
海上運賃以外の注目ポイントは、積み地だけではなく揚げ地の費用を確認する必要があります。
輸出・輸入者それぞれの立場によって、また建値によってどちらがリーズナブルか異なるので注意しましょう。
コンテナ不足
コンテナ不足や船のスペースを確保できないことでコンテナの流れが滞ってしまうことが問題となっています。
根本的な要因は国際情勢の影響です。
新型コロナの感染拡大で、コンテナ船が港に到着した後、下す作業がストップし通関業務の遅れで港に積載された状態のまま期間を要するのです。
船会社は貨物便数を減らし損失対策に努めた結果、稼働が再スタートした時点でコンテナが足りないという状況に陥ってしまいました。
状況
コンテナ輸送はコンテナの往来で成り立っています。
コンテナの質も十分に注意しなければなりません。港に到着したコンテナ貨物を次は国内に向けた貨物に移行するのも遅れ、契約納期の遅れ、輸出者の損益だけでなく輸入者の損出にも関わってきます。
人手不足により業務が滞ってしまうのです。港には次から次へと到着するコンテナが積まれ、溜まっている状況です。
通常1~2日間で戻ってくるはずの空コンテナが1週間以上戻ってこないという悪循環が起こっています。
対策
国際情勢を受け取引の際は課題に対処する必要があります。
国際情勢のコンテナ不足のなかでも、輸出入の取引契約はあります。
コンテナ不足の考慮し、ブッキングを早めることで対策を可能にします。
契約が決まったら早めにブッキングに取り掛かりましょう。
まとめ
国際輸送の主要であるコンテナ船による海上輸送、今回はコンテナ輸送について詳しく解説しました。
コンテナの種類といった基本的なことから、FCL貨物とLCL貨物の違い、コンテナ不足といった国際情勢の課題についても説明しました。
私たちの生活を支える国際輸送による貨物の流れ、貨物を海上という環境から守ってくれ無事に届くことも当たりまえではないということも分かりました。
安全な国際輸送は世界情勢が安定している上で成り立っているということです。
国際情勢に目を向けながら、コンテナ船の動きに注目する必要があります。
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