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CBD原料の輸入方法について詳しく解説

※弊社ではCBDの輸送について現在ご対応を行っておりません。あらかじめご了承ください。

大麻草から抽出され、リラックスできたり、睡眠の改善・食欲の改善に繋がったりと急速に認知度を上げ、その有効性から最近では化粧品や食品などにも添加されるようになったCBD(カンナビジオール)。

オイルやクリームからガムやキャンディ、紅茶やコーヒーなどの飲み物まで。

ネットだけでなく実際のお店でも今や簡単に目にすることができるようになりましたね。

CBDを含む商品や原料の輸入はこの数年で何倍にも増えてきました。

アメリカではCBD長者と言われる急成長を見せるCBD輸出会社が現れたり、輸出元もアメリカ・ヨーロッパと世界各国から供給され、おそらく今後数年で中国はじめアジア諸国から輸入も増えてくるでしょう。

また天然の大麻草からの抽出だと、違法であるTHCの含有の恐れもあることから、近年は合成CBDを製造するメーカーも増えており、CBD市場はこれからもまだまだ広がる可能性を見せています。

弊社オーティーエスジャパンでも毎年新しい輸入ご検討のお話が出てきております。

ただし、CBDの由来は商品の性質上、よく注意して輸入することが必要です。

今回は弊社でも一番お話の多いCBD原料の輸入についてお話します。

CBDとは

CBDはカンナビジオールという、大麻草由来の天然化合物です。

近年では安全で依存性の無いCBDが持つ健康効果が注目され、医療だけでなく美容業界や健康業界など様々な分野での使用・商品化が増加しています。面白いところではペットフードに使用されたりもしています。

CBD原料の輸入としては、純度の高いアイソレート(Isolate)や蒸留してTHCを取り除いたディストレート(Distillate)の2種類があります。(その他フルスペクトラムもありますが、THCが含まれて可能性があるため大きくは2種類となります。)

但し、大麻草の持つもう一方の特徴は、THC(テトロヒドラカンナビノール)という、いわゆる「ハイ」な陶酔感を引き起こす麻薬成分で、当然日本では使用を禁じられています。

日本へのCBD輸入にはこのTHCが完全に取り除かれたものでないといけません。場合によっては輸入者も麻薬取締法に抵触して罪に問われることもあります。

CBD原料を輸入する前に確認すべき事

CBDを輸入するためには特別な資格などは必要ないですが、その商品が医療品や化粧品の場合は、当然それらを輸入するための免許が必要です。そのためCBDを輸入する前には必ず関係省庁に問い合わせた方が良いでしょう。

今回の説明はCBD原料なので、通常では免許はいりませんが、輸入を進めるにあたって最初に確認すべき機関があります。

それが、厚生労働省の厚生局麻薬取締部。有名な通称マトリです。

厚生局は地域ごとにありますので、自身の該当する地域の麻薬取締部に確認しましょう。

関東では、関東信越厚生局 麻薬取締部、となります。

<必要書類>

書類は全てCBDの製造元から入手する必要があります。(様式は任意でOK)

① 証明書

「大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造されたCBD製品であること」を証明する内容の文書

② 成分分析書

輸入しようとするCBD製品の検査結果が記載された分析書

③ 原材料・製造工程の写真

・ CBDの原材料として、大麻草の成熟した茎もしくは種のみを利用していること(大麻草の、花穂、枝、根等を使用していないこと)を証明する写真

・ 原材料の一部分を撮影した写真では根や枝などが無いことを確認できないため、原材料となる茎などの全体像がわかる写真

・ 製造工程において、例えば成熟した茎等を機器に入れていたり、抽出している写真(あくまで原材料として大麻草の成熟した茎もしくは種以外が使われていないかを確認するため)

上記に繰り返し書かれている「原材料として、大麻草の成熟した茎もしくは種のみを利用していること・・・」とあるように、ここでのポイントは“大麻草のどの部分を原材料として抽出された製品であるか”という点です。

マトリでは製品が麻薬に分類されるものであるかどうかを見るので、その製品が違法な製品でなければ、輸入は可能です。

大麻取締法の第一条で、大麻に大麻草の成熟した茎や種子は含まれていない旨が明記されています。

この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

(大麻取締法 第一章 総則)

よって、海外メーカーからは今回の輸入製品は茎と種のみで製造されている旨を証明した書類をもらえるよう依頼しましょう。

製造工程の説明の中で、「THCの入っていない」旨の証明や、使用目的や抽出方法によっては、より詳細な説明や日本語訳を求められる場合もあります。例えば健康食品への添加の場合は「放射線処理を行っていない」旨のレターを求められます。

基本的に、日本への輸出経験のあるメーカーであれば、この辺の事情も良く分かっているので要求すれば入手できるでしょう。

また、マトリへ書類を提出し、輸入可の連絡が電話かメールで来たらバッチ番号がもらえます。ただし、フォワーダーや通関業者を利用する場合は必ず担当部署・電話番号・担当官名と受け取った日付・時間を控えておきましょう。今後の手続き時に確認を受けている明確なエビデンスになるのでスムーズに進みます。

輸入手続きに必要な書類

マトリのOKが出れば、いよいよ実際に輸入となります。その他必要書類を準備してフォワーダーや通関業者に連絡して進めましょう。

(マトリ確認前に現地出荷を進めると、確認に時間がかかった場合に空港や港で保管料がかかる場合がありますので、マトリ確認後に出荷を進めることをお勧めします)

<必要書類>

  • インボイス・パッキングリスト…輸出者が作成
  • 原材料表・製造工程表などマトリに提出した書類一式・バッジ番号・・・マトリから連絡
  • 航空便の場合はAWB(AIR WAYBILL) または 船便の場合はB/L(BILL OF LADING)・・・航空会社(船会社)やフォワーダーが発行
  • ARRIVAL NOTICE・・・船会社やフォワーダーから発行
  • ファインズ設置(入力装置)届出書・・・通関業者で準備。厚生労働省の食品監視課への「食品等輸入届出書」提出をPCで行うことが可能になります。。

* 最近は届出書類への捺印が廃止されたので、必要事項を通関業者に連絡すれば手続きが可能。但し完了まで数日かかる場合があるので、輸入が決定した時点で進めておく事をお勧めします。

輸入許可までの流れ

フォワーダーによって輸出国から出荷され、日本に到着すれば、通関手続きに入ります。

  • 植物検疫:日本に最初に到着した空港(港)で受ける検疫です。(CBD原料の場合のみ)合格すると「植物検疫確認済通知書」が発行されます。
    * 現物の開封の場合もあります。
  • 食品届:使用している原材料・添加物によっては命令検査・自主検査などの指導があり、検査実施後に検査結果に問題が無ければ合格となります。
    検査が無い場合でも、審査に合格すると「食品等輸入届出済証」が発行されます。(「届出控え」と一緒に保管しておきましょう。次回輸入時の実績となります)
    * 現物の開封やモニタリングでの採取の場合もあります。
  • 税関申告:「植物検疫確認済通知書」「食品等輸入届出済証」と一緒にインボイスを元に計算した「輸入申告書」を提出し、関税・輸入消費税を納税します。
    * 税関許可前に開封やX線検査などの場合もあります。

税関の「輸入許可書」が出たら、後は空港(港)から引き取るだけです。フォワーダーや配送業者に連絡して後は受け取るだけです。お疲れ様でした!

最後に

繰り返しになりますが、CBDは大麻草からの抽出物ゆえに、日本への輸入については厳格なチェックが入ります。場合によっては罪に問われることもあります。
大麻取締法では下記の罰則となります。

大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。

(麻薬取締法 第六章 第二十四条)

自身でその気が無かったとしても、検査されたCBDから微量のTHCが検出された実際の事例もあります。今の日本の法律ではたとえ微量でもアウトですので、十分な注意が必要です。輸入の際には十分な調査と、リスクを理解して進めましょう。

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