フォーフェイティングとは輸出者が将来受け取る予定の代金(輸出債権)を銀行に売却し、その代金を銀行が支払う仕組みです。
実は、フォーフェイティングを利用することで代金未回収リスクを取り除くことができます。
なぜなら、手数料を支払うことで代金未回収のリスクを銀行が引き受けてくれるからです。
貿易取引においてフォーフェイティングを知っておいて損することはないでしょう。
この記事ではフォーフェイティングの仕組み、メリット・デメリット、始め方などをまとめています。
この記事を最後までお読みいただくことで、貿易取引における金融手法の知見を増やすことができるでしょう。
目次
フォーフェイティングとは
フォーフェイティングとは、貿易取引で使われる金融手法の一つです。
フォーフェイティングは輸出者が将来受け取る予定の代金(輸出債権)を銀行に売却し、その代金を銀行が支払う仕組みです。
つまり、輸出者は商品やサービスを輸出した後すぐに代金を受け取ることができるわけです。
例えば、日本から海外へ商品を輸出した場合、通常代金を受け取るまでに数か月の期間がかかることがあります。
フォーフェイティングを利用することで、銀行がすぐに代金を前払いしてくれるため資金繰りの安定に繋がります。
フォーフェイティングの大きなポイントとして、輸出先の企業が代金を支払わなかった場合銀行がそのリスクを引き受けてくれます。
これにより、輸出企業は安心して代金を受け取ることができます。
もちろん、リスクヘッジのサービスであることから手数料が発生します。
コストはかかりますが輸出者にとっては確実に代金を受け取れるといった安心に繋がります。
また、リスクを抑えつつビジネスを広げていけることはメリットであると言えるでしょう。
このように、フォーフェイティングは輸出者が代金を確実に受けとれるための有効な金融手法であり、資金繰りの安定やビジネスの拡大に役立つと言えるでしょう。
フォーフェイティングについては以下のページで詳しく確認できます。
フォーフェイティング:日本 | 貿易・投資相談Q&A – 国・地域別に見る – ジェトロ (jetro.go.jp)
フォーフェイティングのメリット
フォーフェイティングのメリットは次の通りです
- 資金繰りが安定する
- リスクを小さくできる
- 管理コストの削減ができる
以下で順番に解説します。
資金繰りが安定する
フォーフェイティングの1つ目のメリットとして、資金繰りを安定させることができます。
なぜなら、輸出者は商品やサービスを輸出した後、代金をすぐに受けとることができるからです。
例えば、商品を海外に輸出する場合一般的には代金を受け取るまでにある程度の期間がかかります。
ですが、フォーフェイティングは銀行からその代金をすぐに受け取れます。
このように、フォーフェイティングはすぐに代金を受け取れることから資金繰りの安定が期待できます。
リスクを少なくできる
フォーフェイティング2つ目のメリットは、輸出者が代金未払いのリスクを少なくできることです。
その理由として、フォーフェイティングは銀行が手数料と引き換えに代金未払いのリスクを引き受けてくれるからです。
万が一輸出先の企業が代金を支払わなかった場合でも、輸出者は先に銀行からその代金を受け取ることができており、未払いのリスクを輸出者が負担する必要もありません。
管理コストの削減ができる
フォーフェイティング3つ目のメリットは、代金回収の管理コストを削減できることです。
例えば、輸出者が代金を回収する場合その業務がある限りは管理コストが発生します。
ですが、フォーフェイティングでは銀行が代金回収を行うため輸出者はその分管理コストを削減できます。
フォーフェイティングのデメリット
フォーフェイティングのデメリットは以下の通りです。
- 手数料と利息の負担が増える
- 手続きが複雑である
- 契約条件に制約がある
手数料と利息の負担が増える
フォーフェイティングを利用する場合、手数料や利息の負担が増えます。
なぜなら、輸出者はサービスを利用する代わりに手数料や利息を支払わなければならないからです。
例えば、フォーフェイティングを利用せずに代金を回収すれば商品やサービスの代金は100%自社で受け取ることができます。
ですがフォーフェイティングを利用した場合、手数料や利息として数%のマイナスが発生します。
このように、すぐに代金を回収できる半面、最終的な利益が減少してしまいます。
手続きが複雑である
フォーフェイティングのデメリットとして、手続きが複雑であることがあります。
なぜなら、フォーフェイティングを利用するためには、銀行との契約やさまざまな書類の準備が必要だからです。
例えば、銀行との契約には事前相談や審査が必要となり、以下のような書類も準備しなければなりません。
- 輸出契約書
- 信用状
- 債権譲渡通知書
- 船積書類
- 輸出手形
このように、フォーフェイティングを利用するにあたっては通常業務に加えて手間がかかってしまうでしょう。
契約条件に制約がある
フォーフェイティングの契約にあたっては、制約がかかります。
なぜなら、銀行が代金未回収のリスクを引き受けることもあり詳細に条件設定をするためです。
例えば、銀行は輸出者に対して、一定の信用や取引履歴を求めることがあります。
その他にも、支払い期限や金額に関する条件が含まれることがあります。
フォーフェイティングとファクタリングの違い
フォーフェイティングとファクタリングどちらも代金を受け取る仕組みのことですが、その違いは何でしょうか?
■フォーフェイティングとは
フォーフェイティングは、輸出者が商品やサービスを輸出した後、将来受け取る予定の代金(輸出債権)を銀行に売却し、銀行がその代金を前払いする仕組み
■ファクタリングとは
ファクタリングは、企業が持っている売掛金をファクタリング会社に売却して、すぐに現金を手に入れる仕組み
このように、フォーフェイティングは主に貿易取引の輸出債権を対象とした金融手法であり、ファクタリングは国内外問わずに企業の売掛金を対象とした金融手法であると言えるでしょう。
フォーフェイティングを始めるには
フォーフェイティングを始めるにはまず、銀行との相談が必要になります。
フォーフェイティングの利用条件の確認を行い、輸出者の信用力・取引内容などを銀行が審査します。
次に、審査に問題なければ必要な書類を準備します。
フォーフェイティングに必要となる書類の例
- 輸出契約書
- 信用状
- 債権譲渡通知書
- 船積書類
- 輸出手形
- e.t.c…
上記のような書類を銀行が確認し、全ての手続きが完了することで代金の前払いが実施されるでしょう。
まとめ
この記事では、フォーフェイティングの仕組みやメリットについて解説しました。
フォーフェイティングは輸出者が将来受け取る予定の代金(輸出債権)を銀行に売却し、その代金を銀行が支払う仕組みのことでしたね。
フォーフェイティングを始めるためには銀行への相談や必要書類の準備が必要です。
ビジネス拡大の一つの手法としてフォーフェイティングを検討してみてはいかがでしょうか。