貨物の輸出入を行うときに見積書で目にする「RT(R/T)/レベニュートン」について「概要やポイント」を説明します。
目次
RT(R/T)/レベニュートンとは?
ここでは「RT(R/T)」についての説明に加え、同時によく目にする「CBM」「FT」についても説明します。
RT(R/T)/レベニュートン
RT(R/T)とは、Revenue Tonの略で、運送料を決めるときに用いる方法です。
船や飛行機での国際輸送のとき、運賃計算の際に用いられます。
「容積(どれだけ場所を使うのか)から計算する重さ」と「実重量」を比較して、重い方を採用する考え方です。
RT(レベニュートン)は「R/T」のほかにも「RTN」「W/N(Weight or Measure」「Chargeable Weight」とも記されます。
※RT(R/T)/レベニュートン=RTN=W/N=Chargeable Weight
書類では、次のように記載されます。
・R/T
・RTN
・W/N
CBMとは?
CBMは、RT(R/T)を算出するときに必要な単位です。
CBMとは、Cubic Meterの略で「立方メートル」のことを指します。
CBMは「縦」×「横」×「高さ」で算出します。
例)1辺2mの正方形の箱の場合、以下の計算式で算出
2×2×2=8㎥
この場合のCBMは、「8CBM 」になります。
CBMは他にも「M3」(エムスリー)でも記されます。
※CBM=M3
RTとFTの違いは?
「FT」は海上輸送の際に用いられます。
F/Tは「Freight Ton」(フレートトン)の略です。
「RT(R/T)」と同じ意味で使われており、F/Tは、海上輸送を行うときの運送代金の計算時に使用します。
換算レートは、RT(R/T)と同じ「容積1㎥=1000kg=1ton」であり、実重量と容積重量のより重い方を採用して運賃の計算が行われる方式です。
RT(R/T)/レベニュートンを用いる際のポイント
RT(R/T)は、船舶輸送・航空輸送それぞれで考えることが重要です。
それぞれの計算の仕方を以下にて説明します。
船舶輸送
船舶輸送の際は、コンテナを使用します。
通常コンテナ1個単位で料金が算出されるのですが、コンテナ1個に達しない貨物(Less than Container Load)は、混載物として搭載します。
このときに使うのが「RT(R/T)」を用いた運送料金の算出方法です。
船舶輸送において「換算レート×CBM」によって求められます。
船舶輸送での換算レートは「容積1㎥=1000kg=1ton」です。
※船舶輸送での換算レート:1㎥=1000kg=1ton
例えば、1個あたり実重量2000kgの、一辺が0.5m の四角い箱を計20箱のときのRT(R/T)は、以下の計算式で導き出せます。
0.5×0.5×0.5×20=2.5㎥(CBM)
換算レートより、
2.5㎥(CBM)×換算レート(1000kg)=2500kg
この場合、実重量が2000kgであり、容積重量が2500kgのため、容積重量の2500kgを採用します。
この数値は、運賃計算の際に用いられ、見積書には以下のように記載されています。
例)O/F:$100×RT
O/F(オーシャンフレート)=$100×RTを意味します。
上記の場合、$100×2.5=$250と算出できます。
航空輸送
航空輸送の場合、飛行機はスペースが限られているため、全てが混載物として搭載されます。
そのため、全ての貨物に対してRT(R/T)の考え方を採用する必要があります。
航空輸送の場合の換算レートは「6000㎤ =1kg」です。
航空会社によっては「5000㎤=1kg」を採用しているので、事前に確認してください。
※航空輸送での換算レート:「6000㎤ =1kg」 |
例えば、一辺が30cm・実重量5kgの四角い箱の場合、
30cm×30cm×30cm=27000㎤
換算レートは「6000㎤ =1kg」のため、
27000㎤÷6000㎤=4.5kg
実重量が5kgで容積重量が4.5kgのため、重い実重量の5kgを採用します。
輸送以外でのR/Tの活用方法
RT(R/T)は運送費用の計算だけでなく、下記についての費用計算にも用いられます。
- 「保管費用」
「保管費用」とは、倉庫にて貨物を保管する費用です。
費用は「貨物の実際のサイズのみ」で考えられる場合と、貨物を動かす場所を含めた「ハンドリングスペース込み」で考えられる場合があります。
前者の場合に、RTを用いて費用が算出されます。
- THC(ターミナル・ハンドリング・チャージ)・CHC(コンテナ・ハンドリング・チャージ)
ハンドリングの費用を指します。のことです。
貨物を積み下ろしたあと「保管場所まで運ぶ費用」「入庫状況をシステムで管理する費用」
「コンテナの維持・管理作業」「税関への届出」費用です。
一般的には、1,700〜2,500円/RTとされています。
- CFS(コンテナ・フレイト・ステーション)チャージ
CFSチャージとは、輸入貨物を「混載コンテナから取り出す費用」「CFS(コンテナ・フレイト・ステーション)にて保管する費用」です。
欧米やアジア圏からの場合、費用は5,980円/RTにて算出されます。
「入庫費用」「出庫費用」と記されることもあります。
まとめ
RT(R/T)の換算レートは、船舶会社や航空会社によって違うので、事前に確認の必要があります。
また、貨物の量が少ない場合は特別料金が設定されていることがあります。
輸出入する際は、まずは専門機関や専門業者に確認をしましょう。