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重量容積証明書とは 特徴や記載内容、注意点など解説

国際輸送の手段であり、多くを担っているのが海上輸送です。

輸送に掛かる期間も航空輸送に比べ、輸送先が遠海であれば数か月以上かかります。

長期的な貨物の輸送であるうえ、海上という輸送環境上、天気や国際情勢によっても大きく影響を受けます。

そして、航空や陸上輸送に比べ種類も多い海上輸送における書類のなかでも、重量容積証明書は重要な証明の1つです。

安全な海上輸送のために、重要な書類も多く、この記事では重要な書類の1つである重量容積証明書について解説します。

重量容積証明書CLMとは

重量容積証明書は、正式にはCertificate and List of Measurement and/or Weightと表記されます。

英語表記を略してCLMといわれ、作成し発行するのは、国土交通省が認めた検量業者によって証明されます。

海上輸送における書類であるということと、船積みを安全にし、安全な船荷輸送のために非常に重要です。

英語表記を直訳すると容積と重量の証明書とリストとなり、内容やリスト項目についても順を追って紹介します。

重量容積証明書のポイントは、公認宣誓検量人によって検量された輸出貨物の重量容積に関する証明書であるということです。

国の代表的な機関が責任をもって重量・容積を検量し、証明しています。

また、CMLによって海上運賃を算出し、船荷証券B/Lの発行にも利用されます。

特徴

輸出者である荷主が発行する契約書やB/Lとは異なり、国の専門機関から公認宣誓検量業者によって検量された結果を証明するということがポイントです。海上輸送の安全性に関わる非常に重要な内容です。

輸出する国が管轄する専門的な機関で検量した上で重量容積証明書は作成され、発行されます。検定済みを証明する印や署名によって対外的に証明書としての効力を発揮します。

記載内容や検量を担う専門の業者についての詳しい説明は次の項目で紹介します。

記載内容

重量容積証明書CLMにはどんなことが記載されているのか、名称にあるリストについて説明します。

  • 重量
  • 容積
  • 個数

重量と容積は海上運賃を算出するのにも重要で、海上輸送の契約・取引において重要な船荷証券B/Lに記載されます。

重量容積は梱包の3つの長さをメートルで統一し算出します。M3と表記されます。

注意点

重量容積証明書CMLに関わる主な注意点は、海上運賃を算出する際に重要です。

海上輸送における重量には2種類あり、実重量と容積を重量に変換して算出した容積重量があります。海上輸送運賃を算出する際は実重量と容積で、数字の大きい方で運賃が計算されます。

海上輸送は貨物を運ぶのに容積や重量によって差が出ないよう、平等な運賃の算出を可能にしています。

重量を測る検量業者とは

重量容積証明書CLMを作成し発行する業者である検量業者とはどういったものか、詳しく解説します。

日本においては国の代表的な機関である国土交通省が重量容積の証明を管轄しています。公認宣誓検量人によって検量された貨物の重量容積に関する証明書のことです。日本で検量を担う主な業者は、日本海事検定や検定数日本社です。主要な港に配置されています。

日本海事検定や検定数日本社の他にも公的な機関は用意されていて、例えば輸出品検査機関やロイド協会所属鑑定所です。

海上貨物の重量算出方法

ここからは、重量容積証明書CLMを作成するために必要な、海上貨物の重量容積の算出方法を紹介します。

海上貨物の重量算出方法を知っておくことは、運賃に関わる部分になるため非常に重要です。

容積重量と実重量は基本的な重さを測るために重要です。

そして、実重量を容積に置き換えたのが容積重量です。重さと大きさといった2つの異なる単位を平等に測るのに便利です。

大きさと重さが同じではない場合や、スペースは取るけど軽い貨物もあります。

重いけど場所はとらないといった異なる貨物に対して容積、重量どちらも平等に海上輸送運賃を算出することができます。

取引相手に送る貨物をまとめ梱包した状態の縦×横×高さの値、単位はメートルで算出します。算出された数値は容積重量(M3)と呼びます。算出された数値を適用し、運賃が決定します。

具体的な数値で例をあげると、縦、横、高さがそれぞれ1.5mの立方体の容積重量は、1.5m×1.5m×1.5m=3.375 M3 となります。

重量容積をもとに料率を適用し、海上運賃が算出され決定します。算出された海上運賃はB/Lにも記載され取引をスムーズにします。

海上運賃算出に必要

運賃交渉をおこない、料率は決定します。

海上運賃の算出に合わせて知っておきたいのが、スペースを長期契約する方法と短期間必要なときにだけ契約するスポット契約があります。

長期的に契約することによって料率を下げることも可能です。

一方、長期契約ではないスポット運賃料率もあります。供給スペースの需要と供給によって料率は変わります。

高い需要に比べ、供給が低いと料率は上がります。

安定した輸送サービスを受けるために長期的スペースを契約すれば安定した海上輸送を確保し、スポット契約よりも安い料率で利用できるでしょう。

また、国際海上輸送の状況によっても料率の高低幅は大きくなることがあります。

重量容積を記載するB/L

重量容積証明書は、船荷証券B/Lを作成し発行するのに必要な記載項目です。

そして、船荷証券B/Lは取引相手である輸入者が契約した貨物を引き取る際に必要な証書です。

貨物を確実に受け取るまで、契約貨物に匹敵する価値を有します。いわゆる有価証券にもなるのです。

船積みに関わる書類のなかでも重要な書類です。B/Lには海上輸送において重要なことが全て記載されています。

重量容積証明書に記載された重量・容積の内容は実際にB/Lの記載項目の1つです。

特定検査機関が発行する証明書

国土交通省が認可した検量業者が証明する重量容積証明書CLMの他に特定の機関が検査し証明する書類は、原産地証明書や検査証明書があります。

原産地証明書は輸出貨物の産地を証明するための書類です。

原産地証明の特徴は、証明された原産地によっては世界貿易機関が定める関税を軽減するといった優遇を受けられるケースがあることです。

検査証明書は貨物の品質を証明する書類で、一定の品質や基準を満たしているかが検査・証明のポイントになります。

まとめ

この記事では、重量容積証明書CLMについて解説しました。

貨物の重量や容積を証明し、安全な海上輸送をおこなうために非常に重要な書類です。

国の特定機関が公認した専門の検量業者が責任をもっておこなうことで、国土交通省から認可された検量業者による証明で、対外的には印や署名によって効力が発生し、信頼性に十分な証明をすることができます。

海上輸送において重要な書類や証明書は、安全な船積み、輸送を可能にするのです。

記載内容や注意点も合わせて確認すると、より重要な証明であることが分かります。重量容積証明書は船荷証券B/Lに記載され、海上運賃の算出に利用されます。

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