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輸出業務を簡素化する特定輸出申告制度のメリットと仕組み

国際輸送において輸出と輸入どちらの取引においても貨物は保税地域で一旦止まります。

本来であれば保税地域で関税による調査が行われますが、今回は輸出に焦点をあてた特定輸出申告制度について説明します。

保税地域への貨物の輸送業務を省いてくれる制度です。

輸出者にとって有益であるのが特定輸出申告制度です。特定輸出者として申告し税関長から承認されれば、通常の輸出では必要な保税地域に貨物を運ばずに輸出許可を得られるのです。

有益なのは輸出者に限られません。厳しい通関により貨物の停泊が余儀なくされ、輸送の流れを止めずスムーズに進められるのです。

この記事では特定輸出申告をする方法や業務の流れ、特定輸出者として承認されることで受けられるメリットについて分かりやすく解説します。

特定輸出管理制度とは

セキュリティ整備や法令順守がしっかりとしていて信頼をおける輸出者と税関との間でパートナーシップを結ぶことです。

税関のコンプライアンス法令に則し信頼できると判断された輸出者に限り保税地域にである所定の場所へ移動してチェックを受けることを省くことが可能です。

それでは具体的に特定輸出申告制度の目的やメリットをご紹介します。

通関後の保税

通関の目的は輸出品を国内貨物から国外貨物に代えます。その審査と手続きを行うのが輸出者の通関です。保税地域というのは海上輸送であれば港にある通関を済ませた貨物置き場になります。貨物の内容に変化はありませんが通関によって貨物の呼び名が変わる、いわゆる貨物のターニングポイントです。

保税地域

取引相手国に送る貨物が外国貨物の状態で輸送されるまで保管しておく場所が保税地域です。

保税輸送

通関をまだ通していない輸送貨物を保税地域まで輸送するための輸送を保税輸送といいます。輸送手段はトラックや保税地域によっては船を使います。

保税地域・輸送を省く特定輸出申告

先に説明した国内貨物を外国貨物に変えるターニングポイントである通関、貨物を保管する保税地域・輸送業務を省くのが輸出申告の主な特徴です。通常の通関審査を受けるために保税地域に貨物を移動するのではなく、税関長が貨物がおかれている倉庫で関税審査を行います。本来であれば保税地域に貨物を移動し必要な貨物の荷下ろしや積み荷の手間を多いに省いてくれます。必要な申告について説明します。

AEO制度の要件

AEOはAuthorized Economic Operatorの略で、承認された関税の輸出入者ということです。

国際機構であるWCOの規約を基に税関が仕切る制度でテロ対策の取り組みでもあります。

他に国際輸送の課題でもある物流円滑化の推進を求められて導入されています。

セキュリティの管理やコンプライアンス体制が整っていることを要件に、輸出者に対し税関長からあらかじめ承認されるのです。

貨物のセキュリティを確保は、盗難やすり替え、差し込み防止するための体制を整えることです。体制の整備は主に物理的・人的・情報におけるセキュリティです。

セキュリティ整備の要件を満たしていれば輸出時時の業務削減を多いに測ることが可能です。

輸出者にとっての業務の簡素化だけではなく、税関の作業を簡素化にも役立つ仕組みでもあります。

世界税関機構であるWCOが制定する基準を満たしている輸出者であればAEOの優遇を受けることができるのです。

税関の審査

AEOの優遇を受けることで輸出者にとってメリットがあります。このメリットを受けるためにも税関から審査を受け、輸出の際の業務を省くことで利益の追求にも繋がるのです。

具体的な税関の審査は、セキュリティ面としっかりと法令遵守されているかがポイントになります。

特定輸出管理制度のメリット

特定輸出管理制度におけるメリットとは何かを確認しましょう。特定輸出管理者と認定される要件はセキュリティ面と法令遵守が求められます。要件を満たしている輸出者であると認定されれば、税関とコンプライアンスを結び、保税地域への輸送業務を省くことができます。特定輸出申告者に認定されるメリットを具体的に挙げると

  • 迅速な船積み可能
  • 物流コスト削減
  • リードタイム短縮

次では紹介したメリットについて、それぞれ詳しく解説し、理解を深めていきましょう。

迅速な船積みを可能にする

保税地域に船積貨物を移動する作業が省かれるので、迅速な船積みを可能にしてくれます。管轄する税関長が貨物の置いてある場所へ赴き通関検査をしてくれます。

貨物がある場所とは、たとえば保管する自社工場や倉庫、港や空港といった移動に必要な場所でも税関長の検査が可能です。迅速な船積みを可能にするので、納期に対しても効果的です。

物流コストを削減

保税地域輸送するための専用の輸送である保税輸送に掛かる人件費や燃料費などを省くため、物流コスト削減することを可能にします。コスト削減は利益追求に欠かせません。特定輸出申告者に認定されることのメリットです。

リードタイム短縮

物流に関わるコスト削減のみならず結果、リードタイム短縮に時間的な短縮にもつながるのです。リードタイムは納品するまでに掛かる期間である日数をいいます。リードタイムの短縮は納期間の短縮になり取引相手との有効な取引を実現してくれます。

国際輸送をより効果的に、無駄を省き効率化が大いに期待できます。

特定輸出申告

特定輸出申告に必要な手続きについて説明します。特定輸出の申告をする先は税関です。

民間である輸出者と税関のパートナーシップが特定輸出申告制度です。

特定輸出申告者として認定される要件は、セキュリティの整備と法令に違反しないよう、業務手順を作成するなどして体制が整っている輸出者であるAEO事業者と認定されることです。

関税を仕切る税関に所定の書類を揃えて提出し審査を受けます。230者以上がAEO輸出者承認されています。

輸出貨物を保税地域に運ばずに輸出申告をすることができ、輸出許可を得ることができるのです。そのために輸出業務を迅速化・簡素化することを可能にします。

輸出申告できない貨物

輸出申告の中でも貨物内容や限定された取引国によっては申告対象外の貨物があります。輸出申告できない貨物については、輸出自体認められない条件付きである場合が殆どですので注意しましょう。特定取引の申告が必要です。

まとめ

輸出の際に本来であれば税関で必要な保税地域へ貨物の移動を省けるのが輸出申告制度の主な特徴です。世界機構であるWCOが定める基準条件を満たしていれば、輸出申告制度を受けられ、メリットである迅速な船積みや積載のコスト削減にも効果的です。通関の迅速かつ簡素化によって国際輸送の取引を円滑にしてくれます。港での保税輸送を省くことでメリットを受けるために、申告をすることは多いに役立つでしょう。

条件はセキュリティの設備が整っていること、法令遵守に取り組んでいる輸出者であることです。条件を満たし特例輸出申告者として税関とパートナーシップを組めれば、利益追求も実現できます。

国際輸送を取り巻く制度の整備は、今後さらに税関の業務削減に繋がる仕組みである制度を整えていく必要があります。

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