今回は、家具やインテリアの海外輸出について解説します。
家具やインテリアに限らず、日本への輸入と日本からの輸出では、一般的には後者の方が難しいとされています。
その要因はいくつかありますが、例えば輸出相手国の輸入法令があります。
海外へ貨物を輸出する場合、その相手国の輸入法令を現地の言語で確認しなければなりません。
さらに、輸出先の国が複数あればその国ごとにそれぞれ確認する必要があり、多大な労力と時間を要します。
輸入法令のほかにも、貨物の梱包方法、輸送方法など、海外へ輸送する際に注意しなければならない点は多いです。
そのため、国際輸送サービスを提供する業者に依頼・相談してしまうのが安全安心でおすすめです。
この記事では、初めて家具やインテリアを海外へ輸送することを検討している方向けに、
海外輸出の基本的な流れと注意点をご紹介します。
当記事では、次のような内容に沿ってお伝えします。
輸出貨物を確認しよう
まずは、日本から海外に向けてどの貨物を輸出するのか確認しましょう。
具体的には、品目、数量、荷姿です。
貨物の状態によって最適な輸送方法は変わりますので大変重要な作業です。
国際郵便の利用を検討してみよう
国際郵便は、日本郵便社が提供する国際輸送サービスです。
最寄りの郵便局から海外の届け先まで一貫して依頼できます。
航空便での輸送、保険や受取通知などのオプションもあり、必要に応じて細かくオーダーすることができます。
海外への輸送が初めての方であれば、まず最初に利用を検討したい輸送サービスです。
このサービスを利用することの最大のメリットは、やはりその手軽さです。
最寄りの郵便局から発送できること、日本郵便社のホームページでは輸送料金や日数を容易に確認することなどから、
個人法人問わず多くの方にとって最も手軽な輸送方法と言えるでしょう。
一方で、発送できる貨物の大きさと重量に制限があることに注意が必要です。
送り先や輸送方法などにもよりますが、1個当たり最大30kgまでの重量制限が設定されています。
大きさや重量が制限をオーバーするテーブル、ソファ、イスといった大型の家具となると、国際郵便の利用は難しくなります。
輸送貨物が少量小型の家具やインテリアであるときには、国際郵便の利用を検討してみましょう。
輸送方法を検討しよう
国際郵便を利用しない場合には、そのほかの物流業者に輸送を依頼することとなります。
日本から海外へ輸送するとき、基本的には3つの輸送方法があります。
LCL
LCLは、海上輸送(船での輸送)の方法の1つです。
Less Than Container Loadの略で、海上コンテナ1本分に満たない量の貨物を輸送する際、コンテナの中に他の荷主の貨物と一緒に混載して輸送します。
20FTコンテナや40FTコンテナを丸ごと1本使うほどの数量は無いものの、航空便よりも安く貨物を輸送したいときに最適な輸送手段です。
LCLでの輸送料金は、貨物の重量または体積によって決まることがほとんどです。
FCL
FCLは、海上輸送(船での輸送)の方法の1つです。
Full Container Loadの略で、LCLとは逆にコンテナ1本丸ごとを使った輸送方法のことです。
20FTコンテナや40FTコンテナを丸ごと1本使うほどの数量があり、航空便よりも安く貨物を輸送したいときに最適な輸送手段です。
標準パレット(1.1m幅)の場合、20FTコンテナであれば10枚、40FTコンテナであれば20枚をおける面積があります。
FCLでの輸送料金は、コンテナ1本単位で決まっており、コンテナ内がスカスカでも一杯でも同額です。
海上輸送を選択する場合には、LCLとFCLの両方で輸送料金を見積ってもらうことをおすすめします。
FCLの方がコスト効率が高くなりやすいため、見積りの結果、LCLよりFCLの方が輸送料金が安かったというケースも少なくありません。
航空輸送
飛行機で輸送する方法です。
海上輸送よりもスピーディに輸送することが可能です。
とにかく早く安全に輸送したいときに最適な輸送手段です。
航空輸送は輸送スピードが圧倒的に早いというメリットがある一方で、輸送料金が高いというデメリットがあります。
飛行機は船に比べて一度に輸送できる貨物量が少なく、燃料コストも高くなります。
航空輸送料金は海上輸送料金の数倍となるので、荷主にとっては大きなコスト負担となります。
また、飛行機の安全運行のため、輸送できない貨物の制限があることにも注意が必要です。
例として、火薬やオイルライターなどがこれに当たり、これらの貨物については飛行機での輸送はできません。
家具やインテリアを輸送する場合には、電池に注意が必要となるでしょう。
電池を内蔵した貨物であると輸送を受け付けてもらえない可能性があります。
貨物から電池を取り外したり海上輸送に切り替えたりするなど、その貨物に応じて個別に判断が必要となります。
現地法令を確認しよう
家具やインテリアに限らず、貨物を海外へ輸出する際には必ず現地の法令を確認しましょう。
現地国での輸入規制は、全体の輸送スキームの中でも特に引っかかりやすいポイントです。
輸入に関する現地法令をクリアしていなければ、届け先まで輸送できないのは当然のこと、
輸入国現地で貨物を滅却処分したり日本へ送り返さなければならないなどのトラブルに繋がるリスクとなります。
例えば、海外では多くの国が木製製品に関する輸入規則を設けています。
木製製品には害虫などが意図せず付着していることが多いので、輸入国内へのそれらの侵入防止を目的としています。
家具やインテリアであれば木製製品であることも多いと思いますので、要注意です。
海外輸出の基本的な流れ
輸送方法や業者への依頼範囲などによって細かな輸送の流れは異なりますが、基本的には次のようになります。
(1)海外への発送準備
(2)港または空港への国内輸送
(3)日本での輸出申告
(4)海上輸送または航空輸送
(5)現地国に到着
(6)現地国での輸入申告
(7)現地国内の輸送
(8)届け先へ到着
まとめ
今回は、家具やインテリアの海外輸出についてご紹介しました。
日本からの輸出は日本への輸入よりも難しいとされるのが一般的なので、家具やインテリアに限らず、
国際輸送は物流業者に任せてしまうのがおすすめです。
国際郵便を利用できる場合には国際郵便で、それ以外の場合には物流業者に相談してみるのも良いでしょう。
当社は国際輸送サービスを承っておりますので、国際輸送を検討されている方はぜひ当社までご連絡ください。