国を超えた流通を可能にするのが国際輸送です。
海を行く船を使った輸送。世界交流の機会でもあります。輸出入は私たちの生活を支えています。
たとえば、イタリアのパスタが国内のスーパーに並んでいるため、私たちはそれを購入、調理しイタリアンを手軽に食べられます。
このように国際輸送は、私たちの生活を豊かにしてくれているのです。
さて、そんな国際輸送を行う際、輸出入品を運ぶために船は出航し、港に停泊します。
そして、停泊港を拠点に内陸運送へ引き渡されます。
そんな船舶輸送のやり取りをスムーズに行うために必要になってくるのが。「船荷証券」です。
今回は、船荷証券について詳しくご紹介します。
目次
船荷証券(B/L)とは
港を出航し、目的地の港へ貨物を安全に届けるために必要な明細書が船荷証券(Bill of Lading、以下B/L)です。
B/Lは、貨物輸送を円滑に進めるための重要な書類であり、輸送品の詳細を記録し、トラブル防止や所有権の証明にも役立ちます。
身近な例で言えば、郵便局で宅配発送を依頼する際に作成する送り状に似ています。
送り状には、宛先や送り主の情報、荷物の詳細が記載されており、それぞれの関係者(送り主、受取人、配送業者)に対応する控えがあります。
同様に、B/Lは国際輸送における「送り状」として機能し、輸送に関わる情報が記録されています。
ここからは、船荷証券の基本的な役割や読み方について、具体例を交えながら解説します。
船荷証券の読み方
「船荷」は「ふなに」と読みます。
端的に言えば、船を使って荷物を輸送することを意味する言葉です。
B/Lには、出荷人、荷受人、通知先、貨物の詳細、輸送条件などが記載されていますが、
これらの情報を正確に読み取ることが、国際輸送の成功に欠かせません。
国際輸送に欠かせない船荷証券(B/L)
船荷証券は、船会社が発行する国際輸送の明細書です。
英語では「Bill of Lading」と呼ばれ、「Bill」は「明細書」、「Lading」は「船荷」を意味します。
略して「B/L」(ビーエル)と表記されることが一般的です。
B/Lの原本は、輸送途中で手渡される機会が多く、その都度役割や性質が変化します。
例えば、輸送契約の証明として利用されるだけでなく、貨物の所有権を証明する役割も果たします。
そのため、B/Lは船舶輸送における極めて重要な書類です。
現在では紙媒体のB/Lだけでなく、電子形式のB/L(eB/L)も広まりつつあります。
電子B/Lの具体的事例についても後ほど解説します。
船荷証券の役割
船荷証券の役割・性質は渡った先によって変化しているということがポイントです。
まず、船会社が船荷証券発行します。輸送を引き受ける船会社の手からスタートします。
- 船会社と輸出者の契約書
- 大切な運送品を預かり証
- 港に到着し船から荷物を卸し陸空運送者に引き渡す確認書
- 流通証券
これだけの多くの役割は、対する航空貨物輸送券にはありません。
4つの役割をもつ船荷証券は、中長期間船荷を介して渡っていくのです。
船荷証券の歴史
船荷証券の役割を確認する前に、歴史について少し触れておきましょう。
船荷証券は貿易取引が盛んになった江戸時代よりも前からと言われています。ずいぶん昔から受け渡しは続いているのです。
大切な物を運んでもらう、その輸送を依頼するのに信頼が無ければ渡しません。反対に、引き受けた荷物が何か、どこへ届けるのかが分からなければ、引き受けません。
そこで必要事項を明示し、確認、納得した上で契約を結びます。
輸送を進める明細書は時代を違えども、現在もつきものです。明細書を必要とするのは輸送に限らず、スーパーで買い物をすれば、レシートが必要です。お金が発生する時に明細書は必要とされると言えるでしょう。
船荷証券B/Lの種類
手を介して渡っていく船荷証券の種類、先に紹介したそれぞれの役割を担っているB/Lの種類を紹介します。
- オリジナル
- サレンダード
- sea waybill(船荷運送状)
物を「売買する/渡す」という行為を、直接行いません。
幾つもの機関・人が関わっているため、複雑でもあります。届けるまでに、関わる人が間違わないか、確認する必要があります。
オリジナル(原本)は3枚必要とし、2回に分けて発送することもあります。理由は万が一紛失した場合に対応できるからです。
ただ、それには到着遅れや紛失といった課題が付きものでした。より簡易的にしたものがサレンダードと海上輸送状へと展開しています。
遠い海外にいる受取人へ、確実に渡るために必要な書類です。
船荷証券B/Lと合わせて知っておきたいD/O
乗っている距離と料金を証明する切符でもあるる船荷証券、荷物が無事到着するのを待っています。
送付先/注文者/受取人であることを証明するのがD/Oです。D/O(ディーオー)の正式名称は、Delivery Orderです。訳すと配達・注文書になり、いわゆる「荷渡し指図書」です。
引き渡しの際にD/OとB/Lを交換し無事に荷物が届きました。
トラブル
国を超え海を行きます。出航から目的地は水平線の遥か先です。
例えばイタリア港から日本港到着に約60日間、2ヵ月掛けてようやく届きます。1ヵ月間、船に揺られて届いた品物、無事に送付先へお届けできる事が当然ですが、この長旅の途中トラブルでスムーズに行えなかったということもあります。
トラブルとは、船荷証券が届く前に運送物が届き、船荷証券を待たなければならないということです。
ここで疑問なのが、船荷証券は運送物と一緒に輸送されていないのでしょうか?別なのです。オリジナルB/Lは空輸で発送し、荷物を待つ人の手元に届けられます。
船荷証券が無ければ品物を「渡す/受け取る」ができないのです。
船荷証券の発展
ペーパーレス、デジタル化時代に、船荷証券に遅れを感じませんか。
ようやく船荷証券もデジタル化へ発展しつつあるのです。
1つ1つの課題を解決しながら、電子化へ一歩ずつ進んでいる船荷証券の様子を紹介します。
ペーパーレス、デジタル化時代の船荷証券
電子船荷証券(eB/L)の導入は、貿易業界における大きな変革です。
先述の通り、電子化によって以下のようなメリットが期待されています。
- 安全性の向上:ブロックチェーン技術を活用し、改ざんが不可能であるため、信頼性が飛躍的に向上します。
- 利便性の向上:紙媒体を削減することで、紛失リスクがなくなり、書類の管理が簡素化されます。
- コスト削減:書類の郵送や保管にかかる費用を削減し、迅速な手続きが可能となります。
ただし、電子化を実現するためには、国や業界内での法規制の整備が欠かせません。
紙のB/Lに比べ、安全性と利便性が大きく向上している一方で、各国間のシステム連携や新たなセキュリティ対策が求められています。
今後の展望
電子船荷証券(eB/L)は、まだ一部での導入に留まっているものの、技術革新と法規制の整備が進むにつれて普及が加速することが期待されています。
特に、ブロックチェーン技術やAIを活用したさらなる自動化が見込まれており、国際貿易の効率性を大幅に向上させる可能性があります。
まとめ
私たちの生活を支える食品や、日用品は輸入に頼っています。船舶輸送は安価に多くの物資を運ぶため世界で重宝されています。
船荷証券は船舶輸送をスムーズに行うために必要な証券です。
引き・受け渡すその間、船荷証券の役割と性質について解説しました。
貿易と共に発展してきた国際輸送を支える大きな役割を果たしています。役割をスムーズに行うため必要な船荷証券は、より安全に簡易的に利用できるよう、発展し続けているのです。
船荷証券はデジタル化実現へ、課題と対峙しながら発展している最中です。その様子をぜひ、注目してみてください。
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