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輸入食品のモニタリング検査とは 概要や検査の流れとともにわかりやすく解説

 

日本の食料自給率は約4割、カロリーベースでは約6割を海外から輸入していることはご存じでしょうか?

食品の大半が海外から輸入しているのが日本の現状です。

 

モニタリング検査とは、この輸入食品の安全性を確認するために実施される検査のことを言います。

この記事では、輸入食品の概要、検査の種類、モニタリング検査の詳細についてまとめています。

この記事を最後までお読みいただくことで、輸入食品の手続きの流れを踏まえつつモニタリング検査について詳しく知ることができるでしょう。

 

厚生労働省検疫所|輸入食品の検査の流れ

 

輸入食品は以下の流れで手続き、検査を行い国内市場へと流通します。

 

■輸入食品の検査の流れ

①食品等輸入届出関係書類の準備をする

②海外より貨物が到着

③輸入届出を行う

④検疫所による審査

・モニタリング検査(検疫所が実施)

・命令検査(輸入者が登録検査機関へ依頼する)

・自主検査(輸入者が登録検査機関へ依頼する)

⑤検査に合格すると食品等輸入届出済証が発行される

⑥税関での通関手続き

⑦国内流通

 

それぞれについて、順番に解説していきます。

 

食品等輸入届出関係書類の準備をする

「食品等輸入届出書」とは、税関での通関手続きをする前に、検疫所に提出する届出書の事を指します。

対象食品によっては、必要に応じて「食品等輸入届出書」とは別に関係書類の提出が必要です。(以下表を参照ください。)

 

対象食品 必要に応じて用意する書類
食肉、野菜、魚介類及びその簡易な加工品 ・衛生証明書

・使用添加物の詳細

・輸入貨物の詳細資料

加工食品 ・原材料表

・製造工程表

・香料が食品衛生法に適合している旨のレター

・検査機関が発行した試験成績書

添加物 ・商品説明書、規格書

・検査機関が発行した試験成績書

器具・容器包装 ・食品が触れる部分の材質・色が確認できる資料

・写真、展開図など

・検査機関が発行した試験成績書

乳幼児向けおもちゃ ・材質、色が確認できる資料

・写真等

・対象年齢、使用方法、販売場所が確認できる書類

・検査機関が発行した試験成績書

 

海外より貨物が到着

輸入食品は海路や空路を使って日本へ輸入されます。

輸送手段は広く一般的に海上コンテナが使用され、輸入する食品によってリーファーコンテナ、寒温冷蔵コンテナ、除湿コンテナなどが使い分けされます。

 

輸入届出を行う

輸入した貨物が到着すると保税地域に留め置かれます。

その後、輸入した貨物を通関場所の検疫所窓口へ届け出を行います。

検疫所の窓口一覧は以下を参照ください

食品等輸入届出受付窓口一覧 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

検疫所による審査

提出された届出書に基づいて、検疫所の食品衛生監視員が審査を実施します。

書類審査により検査が必要だと判断された場合は、以下のいずれかの検査が実施されます。

 

■要検査の場合

・モニタリング検査

・命令検査

・自主検査

 

書類審査で検査が不要の場合は、上記検査は実施されません。

検査に合格すると食品等輸入届出済証が発行される

検疫所の審査により検査不要、検査の結果合格となった輸入食品に対して、食品等輸入届出済証が交付されます。

 

税関での通関手続き

検疫所の審査が終わると、続いて税関での通関手続きが行われます。

通関手続きとは貨物が税関を通過するときに必要となる手続きです。

 

税関へ輸入食品の輸入申告を行い、審査に問題がなければ輸入許可となります。

この際に、保税地域から貨物の引き取りに必要となる輸入許可通知書が交付されます。

 

国内流通

輸入許可通知書とD/O(デリバリーオーダー)を保税地域へ提出すると、貨物の引き取りが可能となります。

引き取られた貨物は倉庫等に移送され、輸入食品が市場へと流通していきます。

 

食品を輸入する3つの検査

 

検疫所の審査により、検査が必要と判断された場合以下のいずれかの検査実施が必要となります。

 

モニタリング検査

命令検査

自主検査

 

それぞれについて、以下で解説します。

 

モニタリング検査

モニタリング検査は輸入食品監視指導計画に基づき、厚生労働省大臣の指示のもと実施される検査のことです。

輸入される幅広い食品が対象となり、国が定めた年間計画に基づき検疫所で検査が実施されます。

モニタリング検査の目的は、食品を輸入するときの検査強化です。

費用は厚生労働省大臣の指示の元検査が実施されていることから国が負担をしています。

また、モニタリング検査は検査に時間を要するため検査結果を待たずに手続きを進めることができます。

ただし、不合格の場合は、貨物の回収が必要となる場合があるので注意が必要です。

 

命令検査

命令検査は、食品衛生法違反の可能性が高い食品が対象であり、輸入の都度検査を実施する必要があります。

厚生労働省大臣の指示によって命令検査は実施され、費用は輸入者が負担します。

検査が合格となるまでは輸入手続きを進めることができませんので、輸入食品が命令検査の対象の場合はあらかじめスケジュールに余裕を持たせておきましょう。

自主検査

自主検査は、輸入食品の初回輸入時や、定期的な輸入時に国が輸入者に対して「輸入者の自主的な衛生管理」として指導する検査のことです。

 

モニタリング検査の詳細

 

ここでは、モニタリング検査の詳細として対象食品、検査項目について解説します。

 

モニタリング検査の対象食品

 

モニタリング検査は以下の食品が対象となります。

 

食品項目 具体的な例
畜産食品 牛肉、豚肉、鶏肉など
畜産加工食品 ナチュラルチーズ、食肉製品、アイスクリームなど
水産食品 魚類、甲殻類(エビ、カニ)
水産加工食品 魚加工品(切り身、すり身など)冷凍食品(水産動物類、魚類)
農産食品 野菜、果実、麦類、とうもろこしなど
農産加工食品 冷凍食品(野菜加工品。)、果実加工品、香辛料など
その他の食料品 健康食品、スープ類、調味料、など
飲料 ミネラルウォーター類、清涼飲料水など

 

モニタリング検査は、広く一般的に食されている肉・魚・野菜・飲料など網羅的に検査しています。

より具体的に確認する場合は、以下を参照ください

001231673.pdf (mhlw.go.jp)

 

モニタリング検査項目

 

モニタリング検査では以下のような検査が実施されます

 

■モニタリング検査項目

・抗菌性物質

・残留農薬

・添加物

・病原微生物

・成分規格等

・カビ毒

・遺伝子組み換え食品

・放射線照射

 

モニタリング検査の項目は残留農薬や放射線照射の有無など、食の安全を確認する検査内容となっています。

 

より具体的に確認する場合は、以下を参照ください

001231673.pdf (mhlw.go.jp)

 

輸入食品の検査が不合格の場合

 

検疫所による検査の結果が不合格の場合は輸入食品を廃棄する、もしくは積み戻しとなります。

また、食用以外の用途に変更して輸入する方法があります。

 

食品衛生法違反となると、厚生労働省のホームページ上で違反事例として輸入者名や商品等の詳細が公表されてしまいます。

また、廃棄となると廃棄費用も発生します。

食品を輸入する場合は、品質や書類不備がないか事前によく確認しましょう。

 

食品衛生法違反の違反事例については以下で確認ができます

違反事例 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まとめ

 

この記事では、輸入食品のモニタリング検査について解説しました。

 

■輸入食品の検査の流れ

①食品等輸入届出関係書類の準備をする

②海外より貨物が到着

③輸入届出を行う

④検疫所による審査

・モニタリング検査(検疫所が実施)

・命令検査(輸入者が登録検査機関へ依頼する)

・自主検査(輸入者が登録検査機関へ依頼する)

⑤検査に合格すると食品等輸入届出済証が発行される

⑥税関での通関手続き

⑦国内流通

 

輸入食品は、検疫所の食品衛生監視員によって命令検査や自主検査など様々な検査を通して国内市場へと流通します。

食の安全確保のためこの検査を強化することを目的としているのがモニタリング検査です。

 

■モニタリング検査項目

・抗菌性物質

・残留農薬

・添加物

・病原微生物

・成分規格等

・カビ毒

・遺伝子組み換え食品

・放射線照射

 

様々な角度からモニタリング検査をすることで、食品輸入比率が多い日本の食の安全が確保されていると言えるでしょう。

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