ブログ

コンテナロードプランとは

コンテナロードプランとは

「コンテナロードプラン」は貨物をコンテナに詰め込んで輸送する計画のことです。
この計画ではコンテナのタイプやサイズ、運搬する貨物の種類や量、目的地までの道のりなどが考慮され、国際輸送の際に、最適な輸送ルートが決定されます。

コンテナ記載の貨物の明細を記載する書類(コンテナロードプラン)が必要です。
コンテナ内積付表、Container Load Planを略してCLPといい、コンテナごとに作成される明細書の役割を果たす書類で、貨物の輸送効率を向上させるために使用されます。

何故コンテナロードプランが必要なのか?

輸出入を取り扱う貿易業界では一般的に、大量の国際輸送には海上コンテナを利用します。
事故を防ぐためにもコンテナの中身を正確に把握する必要があり、その情報はCLP(コンテナロードプラン)が頼りです。コンテナロードプランは中身を正確に伝える書類です。荷主(通関業者)から提出されたCLPに基づいて船会社は重量バランスを最適なバランスで船積みします。そのため、コンテナの貨物の情報はできる限り正確な内容の記載が必要です。

最適な運搬ルートを決定したなら、貨物の輸送先と運搬する貨物を考慮します。
飛行機に搭乗する際、ペットボトルは開封済みでは不可、ヘアスプレーやライターの持ち込みは禁止など厳しいチェックがあります。それと同じように船会社も危険物がコンテナに入れられていないかを確認します。その際、必要となるのがコンテナロードプランです。

宅配便で荷物を送る場合の伝票(送り状)に内容や重量などを記載します。それによって宅配業者は中身が分かり、内容に合った適切な積み方や温度管理を考え配送事故を防げます。これと同じ意味を持つ配送伝票にあたる書類がコンテナロードプランCLPです。

コンテナロードプランの主な情報

商品名・個数など貨物の情報は段ボールに記載されています。
貨物紛失用マーク(シッピングマーク)で商品情報が把握できます。

コンテナ情報

コンテナの状況を把握するためには、貨物の個数や容積と総重量などを中心とした情報、出港地や本船名が記載されますが、最も重要なのは容積や総重量になります。

コンテナロードプランのメリット

コンテナロードプラン(CLP)で実際にコンテナを輸送する船会社は貨物内容の把握、船の重心点の計算に役立ちます。具体的にどんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

1:輸送効率の向上

コンテナロードプランを使用することで貨物を1つのコンテナにまとめて詰め込むことが出来ます。貨物の配送がよりスムーズになり、輸送効率の向上が期待できます。

2:安全性の向上

コンテナロードプランを使用することでコンテナに詰めた貨物は最適な場所に安全に配置され、損傷や紛失を防ぐことができます。

3:コスト削減

コンテナロードプランを使用することで貨物の配送管理が簡素化されます。
貨物をひとつのコンテナにまとめて輸送できるので、貨物のハンドリングや運搬のスムーズさが向上することにより費用の節約が期待されます。

4:スムーズな輸送

コンテナロードプランを使用することで、輸送がよりスムーズになり貨物の配送にかかる時間の短縮につながります。

5:コンテナの再利用

コンテナは貨物を輸送した後も再利用することができます。これによりリソースの有効活用が出来ます。

コンテナロードプランのデメリット

では、コンテナロードプランを利用する事によるデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

1:貨物の配達遅延

貨物を1つのコンテナに詰め込むことにより、輸送時間が長くなることがあり、遅延する可能性があります。

2:コンテナの設備

コンテナロードプランを実施するために、適切なコンテナや設備が必要です。
これらを用意することにより、費用がかかることがあります。

3:運送会社の選択

コンテナロードプランを実施するには、適切な運送会社を選ぶ必要があります。この選択に失敗すると輸送のスムーズさや貨物の安全性が損なわれることがあります。

4: 貨物の保管、搬入・搬出のトラブル

貨物をコンテナに詰め込むことで、保管場所が必要になります。この保管場所の確保にも費用がかかることがあり、搬入・搬出の際にトラブルが発生する可能性があります。

5:管理の複雑さ

複数のコンテナを管理することは、システム全体の管理不可を増加させます。
FCLは荷主又は代理店、LCLはCFSオペレーターが作成し、コンテナをCYに搬入する際CYオペレーターに提出しなければなりません。

CLP(コンテナロードプラン)の製作者:通関業者、フォワーダー

CLP(コンテナロードプラン)の提出先:船会社

*FCLとは荷主がコンテナを1個単位で借り切る輸送形態のことです。
*LCLとは1つのコンテナに貨物を混載する輸送形態で複数の荷主が存在します。
*CFS(Container Freight Station)貨物をコンテナに詰めたり取り出す作業を行う場所、保税蔵置場のことです。
*フォワーダーとは自社で船や飛行機を所有するキャリアから輸送スペースを買い取り、荷物の所有者や輸送を希望する方、いわゆる荷主に再販売し国際輸送する会社のことです。

コンテナロードプランをおすすめする理由

コンテナ一本一本には海上輸送の際、固有のコンテナ番号が振り分けられています。船の動向や運搬の状況や完了を確認することができます。

コンテナシール

コンテナに貨物を積み終わるとコンテナシールを貼り封印します。コンテナを不正に開封することを防ぐいわゆる施錠にあたり、シールを破損しない限りコンテナを開けることを防ぐ鍵の役割を果たしています。唯一開封の可能性があるときは税関検査が行われる場合のみです。通常は輸出者から輸入者に開封されることなくコンテナが届けられます。

コンテナに積まれた貨物は輸入国の荷主に届けられるまで開封されないため貨物の中身の詳細情報を把握する資料であるCLPは輸送事故を防ぐためにも正確さが求められます。
積載商品情報(商品名・積載状況・数量・重量・容積)は船会社にとって危険物ではないか?コンテナを汚したり破損したりする危険がないか?船のどの位置に配置するのか?前後左右のバランスが重要になります。不安定な積み込み方では危険です。航海の安全に不可欠な情報が記載されています。

輸送効率やコスト削減などの目的がある場合には「コンテナロードプラン」をおすすめすることができます。

まとめ

燃料費の高騰や、物価の上昇、私たちを取り巻くビジネス環境は決してよくありません。
多様化する荷主のニーズを船会社として考慮しながら、増加する貨物をいかにしてコスト削減し、利益を上げるかが海運業界でも求められています。

現状、現場の貿易実務、コンテナロードプランの作成は通関業者によって行われています。
直接作成することはないかもしれません。しかし、国際輸送に携わる者としては、最低限内容の把握程度には覚えておく必要があります。

また、2020年以降より簡略化をはかるため、CLPに代わってフォームが「B/L Instructions」作成指示書という形式に移行しつつありますが、船主協会で基本形は統一されています。

すべての物事において、完璧なことはあり得ません。コンテナロードプランでも、貨物の保管、運搬、搬入・搬出のトラブルなど、どんなに気を付けていても何らかのリスクは少なからずあります。そのため様々な対策を講じることが大切です。

>>弊社サービスについてのお問合せ・お見積りはこちらから!

PAGE TOP
advanced-floating-content-close-btn無料相談・お見積もり